突然の雨で傘を買う必要がなくなる?LINEでシェア傘サービス『アイカサ』って何?

  • 2019/03/13
  • ライフスタイル・娯楽
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  • YAZIUP運営
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外出先で、突然雨に降られる度にコンビニの傘を買い、気が付けば家にコンビニ傘が10本以上あるという人も珍しくない。

コンニビ傘は1本500円、10本買えば5000円になるし、友人が家に来る度に渡す人もいるだろうが、その大半はリユースされる事なくゴミになる。

この様な浪費をなくし、あえて傘を有料でシェアし、環境にやさしいシステムを作った元家電セールスマンが居る。
中国の自転車シェアリングを参考にしたというが、関東都心だけでなく、他の地域にも広がるのだろうか。

 

LINEから登録、スマホORコードとクレジットカードで決済

LINEから登録、スマホORコードとクレジットカードで決済
東京・渋谷で、’18年12月にシェア傘のサービスを始めたのが『アイカサ』だ。

鍵付きの特注傘にスマホORコードを連動させ、クレジットカードで利用料を決済するキャッシュレスサービスだ。

利用料は1日70円。1カ月借り放題でも420円と、コンビニの傘よりも安い。
値段設定は、’18年3月にβ版で実験サービスを行った際に、10分1円、1日600円にした所、それではコンビニの傘を買った方がマシという利用者が多かったからだ。

有料にしたのは、サービスを持続可能にするため。
’20年の東京五輪時には、全国の傘流通数が3万本になると市場では見込まれており、その半分が今までの様に使い捨てやゴミになると言われている。

五輪を開催する事は、世界中から開催地が環境にどれだけ配慮しているかも注目されており、傘もその焦点にあたる。

売上の1%は環境団体に寄付する方針で、シェアに使用する傘もビニール傘ではなく、素材ベンチャーTBMに依頼し、自社開発プラスチック代替素材『LIMEX』を使用。
LIMEXは、石灰石が主原料で、傘の布地に使うものだ。

現在は渋谷を中心に、都心部でのみサービスを展開し、自社公式ツイッターで、面白いゲリライベントの発信や、新しいシェア傘のアイデアをユーザーに募るという事をやっている。
’19年2月19日には、渋谷のスクランブル交差点をアイカサで埋め尽くすイベントを無料で行った。

コラボ会社も参加し、立食ディナー付きというこのイベント、思い付いたらすぐにやるという社長の決断力の速さが売りになっている。

LINEから登録すれば、最初の3日間は無料という事や、日本気象協会とリンクした事もあり、登録者が1000人を突破した、このサービス。
たちあげた人は、どんな人だろうか。

 

グローバルな若い人材が立ち上げたシェアリングエコノミー

『アイカサ』の社長の丸川さんは、台湾と日本のハーフで、シンガポールなど東南アジアで育ち、英語、中国語、日本語の三か国語に堪能。

10代でソーシャルビジネスに興味を持ち、19の時に子供の立場にたった反抗期カウンセラーとなり、20歳に家電のノジマで営業成績8位になる優秀な成績を収めた。

丸川さんがシェアリングビジネスに目覚めたのは、大学在学中に中国を訪れ、シェア自転車を目の当たりにし、大学を中退して、このサービスを始めたという。

シェア自転車が広がった中国では、借りた自転車を元の位置に返さず、放置された自転車が大量に積み上げられている様子が、空撮でも判る事から『バッタの大群』と揶揄されている。

どの国もモノのシェアを始めた途端、この様な事柄にぶちあたるのだが、丸川さんは、ゲリライベントを頻繁に開き、アイカサのユーザーを登録制にし、ユーザーたちと交流する事で、この問題を乗り切ろうとしているようだ。

ではこのサービス、あえて、日本で広まりにくい難点があるとすれば、どの様な事が挙げられるだろうか。

 

高齢者に広まりにくいという難点も

コンセプトとしては魅力的で理想的な『アイカサ』だが、都心部以外でビジネスを広げていくには、問題点がある。それは以下の点だ。

1:高齢者や外国人は利用しにくい
2:LINE利用者の良心に頼るしかない
3:クレジットカード決済しか選べない
4:利用エリアが狭く、具体的にどこに傘が置いてあるのか判らない
5:コスト意識の高い地域では広まりにくい

最大の難関は、1~3だ。
本当に困っている上、潜在的見込みがあるであろうユーザーは高齢者だと思う。

アイカサが街の総合病院や喫茶店、映画館に進出すれば、傘の回転率も上がり、口コミでユーザーは広がるはずだ。
だが高齢者の利用を阻むのは、これら施設にシェア傘がない事と、LINEアプリからしか利用できない事。
東京五輪を目途に利用者を増やしたい、外国人への利用者を増やしたいのであれば、Facebookやインスタグラムへとアプリを増やす必要もある。

決済方法も、クレジットカードというよりも、銀行からチャージできるデビットカード決済にすると、個人情報がきちんと判る上、クレジットカードの利用に抵抗がある世代を巻き込む事が出来る。

筆者の従弟は東京にいて、アイカサを利用した事があるので、話を聞いた所、テナントビルの何階に傘が置いてあるのか判らず探すのに苦労したという。この点も克服して貰いたい所だ。

アイカサのコンセプトが広まるのは、正直、都心ならではと筆者は思う。
大阪で同じ事をやろうと思うと『なぜ傘を有料で借りるのか』という話になり、『それなら私鉄やJR、地下鉄が客の忘れ物の傘を定期的に補充すればいいじゃないか。』という話にもなりかねない。
雨が降るか降らないかという時に傘を持ち歩くのは面倒だ。
かといってシェア傘やシェア自転車を利用する人全てが、良心的に借りた場所に返してくれるとは限らない。

私自身は、いつも折りたたみ傘を持ち歩いている。
シェア傘の案には賛成だが、利用する人の良心まで教育するのは時間がかかると思うからこそ、あえてこの様なサービスに頼らない様にしているのだ。

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