サマータイム導入がうまくいかない日本独特の理由
- 2018/08/22
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ホントに暑さ対策?サマータイム導入に総ツッコミ
五輪開催時の暑さ対策決定版のように取り上げられ、最近議論が巻き起こっている「サマータイム」。
このサマータイムというのは俗称で、正確には「デイライト・セービング・タイム」というらしい。
もう読んで字のごとく、太陽が明るいうちの時間を有効活用するという意味で、暑いからサマータイムなどという意味は一字たりとも含んでいないのは明らかだが、一部の議員、有識者たちはまるで打ち出の小槌のような祭り上げ方で制度導入を迫っている。
なぜ日本にサマータイムが浸透しないといえるのか。
それはサマータイムの本質を知れば、すぐに見えてくる。
もともとサマータイムは暑さ対策ではない
すでに申し上げたが、サマータイムは夏の明るい「時間」の有効活用策であって「暑さ」対策ではない。
朝早起きすれば涼しく仕事できるじゃん、という意見に反対はしないが、これは後ほど弊害を述べる。
よく言われるサマータイムを導入している国の紹介で「北緯40度以上に首都がある国ならほとんど導入済み」といわれるが、地図上の面積で見ると導入、非導入はほぼ半々だ。
それは我がアジア地域がほとんど採用していないからで、逆に欧米はかなり採用率が高い。
導入に関して緯度が議論になるということは、昼間の時間が長い(白夜一歩手前のような)地域ほどサマータイムの恩恵があるということだ。
日本のような北緯35、6度の地域は、メリットデメリットどちらもあるので、慎重な議論が必要になる。
日本人は一度サマータイムにNOを突きつけた
かつて日本でサマータイムが一度導入されたことを知る人は少ない。
戦後すぐの占領下時代にGHQが導入し、3年後に打ち切られた歴史がある。
どうして打ち切られたかといえば、ズバリ「国民にひどく不評だった」からだ。
そこには日本人ならではの勤勉性がアダとなる理由があった。
それは後ほど述べるとして、今こそ先人たちの貴重な声に学ぶ姿勢がなければ、将来きっとイタい目に遭うだろう。
対応できない人にも対応しなければならない二重苦
サマータイムを導入したといっても、それにすぐ対応できる人とできない人は必ず出てくる。
対応できる人は十分恩恵を受けられるかといえば、対応できない人々への対応(ややこしいな)で、二重に手間を取られる。
こういうの、一種のダブルスタンダードっていうんでしょうね。
それは各自の適応性の有る無しではなく、東京と地方都市、国と国というくくりでも同じことが言える。
地方の田舎のすみずみまでサマータイムが2年で浸透するかは大いに疑問だ。
五輪なんか知るかい、という遠くの地域はとくに、ね。
首都圏と地方の物流、商談、そして時間調整に至るまで、はたして経済の帳尻は合うのだろうか。
そして日本のお隣の国には、どこもサマータイムないんですけど。
政治会談も日本に時間、合わせてもらうのかな?
早く起きれば長く働けとあおる日本人の精神構造
貧乏暇なし、お天道様を浴びて起き、暗くなるまで働けの精神が宿る勤勉な日本人は、サマータイム導入でどうせ朝7時から夜9時までキッチリ働くハメになる。
ならないわけがない。サラリーマンはみな、日のあるうちには帰れない「夜勤族」なのだ。
明るいうちは近所の目を気にして買い物にも出かけられない男どもが、どうやって真っ昼間に自宅の敷居をまたげるというのか。
会社にいたって同様だ。
定時が来れば帰れるのかと思いきや、課長から「まだ外明るいなあ、○○クン!」なんてイヤミが飛んでくる。
だって課長本人が明るいうちに家に帰れない民族なんだから。
早く帰ったら帰ったで夜?寝られるかといえば、まだ外は午後9時で気温は30度を切らないだろうし、眠ろうたって眠れない。
サマータイムでエアコン需要が減るって、どこをどう見たらそんな見通しが出るのだろうか。
混乱は「次世代の五輪誘致アレルギー」として傷を残す
一番の将来への禍根は、サマータイム等の施策が五輪特別体勢と称してごり押しされないかという点だ。
本来スポーツ最大の祭典が日本で開催されることは、とても喜ばしいこと。
だがこうも国民に尻拭いを押しつけ続ければ、ぬぐえないアレルギー反応を植え付け、金輪際日本で夏季五輪を招致する動きはなくなるだろう。
自分で自分たちの首を絞めるような結果にならなければいいのだが。