オヤジでも持っている!なぜへその緒を取っておくのか疑問です。海外ではどうなのか?
- 2018/10/03
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へその緒を持っている日本人
個人的には存じ上げなかったのですが、日本人の中にはへその緒を大事にしまい込んでいる人が結構いるらしいです。
それも外国人に言われて調べてみて、どうやら本当らしいのがわかりました。
その心はいかなるものか、疑問に感じる人は外国人だけでないでしょう。
そこには日本人たる心が隠されているのかもしれません。
また、海外では全くないとも言い切れませんので、少しだけ比較研究らしいことをしてみました。
・海外でのへその緒の扱い方
海外でへその緒を保存する習慣のある国としては、東南アジアの国々が挙げられます。
フィリピンでは、へその緒をアルコール漬けにしてお守りにしています。
ラオス、インドネシアなどでは、へその緒を土に埋めて子供の成長を祈っています。
しかし、日本ほど歴史的に重宝している国は無いようです。
西欧諸国はもちろん隣の韓国や中国でも全く無い習慣ですので、一般の外国人からは特徴的に映るのでしょう。
およそ見た目も気持ちいいものでもありませんし、何に使えるものでもないからです。
生まれた瞬間、へその緒は不要物としてカットして廃棄処分するのが世界では一般的なのです。
へその緒は母子の絆の証し
へその緒とは、子が母の胎内にいる時に栄養を受け入れた器官です。
この歴史を大切にして母と子の絆を維持していこうとしているのでしょう。
その昔、医療体制の充実していない頃には大病にかかったら煎じて飲ませると助かるなどとされましたが、もちろん根拠はありません。
へその緒を短く切り過ぎると、短気な子になるとか、おしっこの近い子になるとかの言い伝えもありますが根拠があるはずもありません。
全てはへその緒に母からの偉大なる命のエネルギーが与えられているものなどの思い込みに頼った発想でしかなかったのです。
それでも大事に持っていれば、災いから身を守ってくれ健やかな成長をさせてくれるものとして心の拠り所となったのでしょう。
・へその緒の歴史
日本では、約1300年も前の「日本書紀」の中に「竹刀を以ってへその緒を載る」との記述があります。
奈良時代の朝廷貴族が行っていたことのようですが、この竹刀でへその緒を切る習慣は戦後しばらくの間までも残っていたようです。
また、江戸時代の武家では、へその緒、産毛、乳歯、元服時の前髪を残す習慣だったようです。
庶民の間でもへその緒だけは残しておくのが当たり前のようになっていたらしいのです。
・へその緒で母子の絆を
国際化の進んだ現代では、奇異な風習のようにも思えます。
しかし、子供がおおきくなってからへその緒を見せてあげると母と子の繋がりも目に見えるものではあります。
昨今の薄くなりがちな母子の絆について考え直すきっかけ材料として、その価値は大切にしていくべきなのかもしれません。
実用性も無くはない
・DNA情報が詰め込まれている
例外的ではありますが、横田めぐみさんのように行方不明になった人のDNA情報として役立つことはあったようです。
また、胎児の間に水俣病になったこともへその緒で証明され認定されたケースもあったりはします。
生まれた当時の自分の情報とその当時の自分や母、さらに取り巻く周囲の人々に思いをはせることも可能にしてくれると思えば貴重なものでもあるのです。
・さい帯血に注目
へその緒も、このようなただの迷信ばかりの価値だけではありません。
さい帯血と言うへその緒の中に含まれている胎児の血液中の造血幹細胞には高い造血力があることがわかっているのです。
これにより白血病、悪性リンパ腫などの患者に著しい効能があることも知られるようになっています。
だからと言って、保存しているへその緒が使われる訳でもありませんが、それでも無駄なものとは言われない価値も感じられます。