政治家に2世3世が多いのは「3バン」がその理由だった!
- 2018/09/30
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落選すればただの人なのです
9月20日におこなわれた自民党総裁選は、大方の予想通り安倍晋三首相が無事3選を果たしました。中でも安倍首相を強く支持したのが、党所属の国会議員の皆さん。405名中329名、実に8割以上が安倍首相に票を投じたといいます。
経済が上向きだから、雇用状況が好調だから、外交でも一応の成果が出ているから。
支持する理由は色々あったのでしょう。しかし国会議員の皆さんが、最も気にしていたであろうことが、安倍首相で次の選挙に勝てるのか? 親分が安倍首相で、自身が選挙に当選できるのか? ということ。
そこがクリアできたからこその、3選ではなかったのかと思うのです。
落選すればただの人、こんな風にいわれる政治家=国会議員はそれほど美味しい仕事ではありません。年収は約3,000万円、これを聞くだけだと結構なものに思えますが、実際は満額懐に入るわけではない。政治活動には非常に金にかかりますから、実際の実入りは1,000万円に満たないとの説もあるぐらいです。
加えて非常に不安定な職業、解散総選挙となったり、不倫現場を抑えられたりすると、たちまち失職する危機に陥るのです。
にも関わらず、選挙に出馬して国会議員になりたがるのはなぜか? 私、アントニオ犬助は全く理解できないのです。
2世が政治家を目指すのは「3バン」が引き継げるから
さらに、理解できないのは国会議員全体の3分の1を占めるほど、2世、3世の政治家が多いこと。自身の親が政治家だったならば、収入面でも不安定さという面でも、政治家がそれほど美味しくない職業であることぐらいは十分承知しているはずなのです。
にも関わらず、世襲議員が数多い理由は「3バン」を引き継ぐことができるから、というのがあるでしょう。3バンとは選挙で当選するために必要な「ジバン」、「カンバン」、「カバン」のこと。
ジバン(地盤)とはいうまでもなく、支持者が多い地域や後援会のこと。これを世襲議員はまるごと引き継ぐことができるというものです。
次のカンバンとは知名度のこと、選挙のたびにタレント議員が当選を果たしてくれて、数多くの有権者を脱力させてくれるのですが、彼らが当選できるのは知名度ゆえ。地盤を引き継げるほどの世襲議員ならば、バツグンのカンバンも引き継いでいるといえるでしょう。
最後のカバンとは選挙資金、世襲議員はこれも引き継げるといいますが、これには相続税ってかからないんですかね?
やっと手に入れたものを誰に継がせるのか?
中でも地盤とカンバンをゼロから築くのは大変なこと。
「どぶ板を踏むような」とか「電信柱にも頭を下げる」とか、そんな風に形容されるタフな選挙戦を何度も経て、政治家としてのキャリアを積んで、やっとのことで築き上げた地盤とカンバン、これを誰に継がせるのだ? と考えると、自身の子ども以外に考えられない。
自然、世襲議員が増えていく理由でしょう。
またそれぞれの地盤には政治家を排出することで、食べている人がたくさんいます。何度も当選を重ねると、次第に地盤は企業の様相を呈してくるようで、政治家がいなくなると企業が立ちいかなくなる。子どもを跡継ぎに!! と声が出てくるというのもあるでしょう。
やったことのある人にしかわからない魅力がある?!
そして最後に……やっぱり、政治家には政治家にしかわからない魅力というものがあるのでしょう。犬助など政治の世界と無縁の者には絶対に見えない魅力、それは国を動かしているという責任や、人々の役に立っているという充実感だったり、権力だったり……そして、ムフフなこともあるでしょう。
そんな姿を身近にしている子どもだからこそ、跡を継ぎたくなるというもの。政治家を身近にしているからこそ、理解できる魅力があるのでしょう。
そういえば昔、犬助がある職種の人たちにインタビューをしているうちに、こちらは世襲とは呼ばないにしても2世、3世が多いことに気づきました。
その職業とは警察官と教師、両方とも非常にハードといわれるもの。しかし、それを身近に見ている子どもが目指したくなる、そんな魅力がある職業でもあるのでしょう。
犬助は政治家はもちろん、警察官も教師も絶対にやりたくないのですけれどね。