人生ミッション:インポッシブル!アップル、アマゾンに迫るアリババ所業者ジャック・マーの波瀾万丈の生涯
- 2018/09/07
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イケメンで、背が高く、親も資産家。
一流大学卒業という人だけが出世の切符を手にする事が出来るのだろうか。
時価総額56兆円を超え、’18年7月末現在ではアップル、アマゾン、マイクロソフトに続き世界第7位という安定した上位を保っているアリババ。
創業者のジャック・マーの言葉を借りれば『NO』だろう。
生い立ちだけでなく、ルックスや学歴に対するコンプレックスは人一倍。
受験に失敗した後に待っていた就職難。
並の人が想像する以上の困難を乗り越えた彼の会社は、トム・クルーズの『ミッション:インポッシブル』の4作目からスポンサーとして名を連ねている。
ジャック・マーの人生は、ミッション:インポッシブルの連続だ。
いかにしてこれを、逆転サヨナラホームランで切り抜けてきたのか。
生い立ち、容姿、学歴もマイナスからはじまった
『頭のいい人は、一流の大学を出て、難しい資格を取り、そこそこの仕事をする。
でも落第生は、どこにも入れないから、自分でやるしかない。落ちこぼれには起業家としての素質があるんですよ。』
マー氏はこう語るが、それは、机上の勉強やエリート同士に囲まれているだけでは学べないものを学べるという意味だろう。
マー氏の生い立ちは恵まれてなかった。
1964年、上海に近い杭州市に生まれ、文化革命期(’66年~’76年)に少年時代を送ったマー氏。
祖父は反革命因子とみなされ、路上で懲罰を受ける事も多く、マー氏は、いじめられた。
『私なんて、チビで不細工で、鼻っ柱だけが強かったのだから、いじめのターゲットになって当たり前。やったらやり返せの根性で授業中に流血ものの大ゲンカも日常茶飯事。その癖、勉強はまるっきり出来ない、昔ながらの悪ガキだったから、両親はあきれてものがいえなかったらしいよ。』
特に不得意だったのが数学で全く理解できず、高校でスベってしまう。
しかも一回目の受験で数学の点数が1点というのは、壊滅的に理解できなかったのだろう。
普通なら、ここから引きこもりになり、一生心のどこかに歪んだコンプレックスを抱えたままになるだろう。
だがマー氏は違った。
中学時代から、夢中になっていた、ある強みを生かし、逆転サヨナラホームランのチャンスにかけたのだ。
それは何なのか。
唯一得意としていた英語が彼を救った
好きなものこそ上手なれという言葉がある。
ゲームもなかった時代、学校の勉強は大嫌いだったマー氏は、ホテルで人と出会って
為になる話を聞くのは好きだった。
ジャックという名前は、文通していた外国人の女の子から、ジャックと呼ばれた事がきっかけだ。
そんな彼は独学で英語を勉強し、杭州の西湖のほとりで、外国人観光客相手に、中学時代から当たって砕けろで、観光ガイドを、かって出ていた。
高校受験に失敗した為、三輪自動車の運転手をしながらも、人に接する仕事があきらめきれず、ホテルマンの面接を受けに行くが、一緒に受けに行った従兄が、背の高いイケメンだった為、従兄は採用されたものの、マー氏は落とされてしまう羽目に。
だがここでもマー氏は諦めず、英語の勉強をし続け、杭州師範学校の英語科を卒業し、講師として夜間講座を開き、カリスマ講師として人気を集めた。
マー氏の英語にはよどみがないが『TOEICや英検を受けても、私は合格しないよ』という。
あくまで彼の英語は『現場』から身に着けたものなのだ。
マー氏は、中国政府から、米国での仕事を依頼され、そこではじめてインターネットにふれた。
そこで『Chinese』と検索して何も出てこないのに、マー氏はチャンスを見出した。
帰国後マー氏は『中国イエローページ』を立ち上げた、時は’99年、アリババの全身である。
楽天の創業は、’97年。
この当時は『地方の小さな店でも、PCに疎くても、店を知ってもらえるようにしたい』というポリシーではじまった。
従業員6人、サーバー1台、13店から始まったネットショップが、今あれだけの大きさとなり、インフラとなっている。
今様々なECが、顧客獲得にしのぎを削る中、マー氏率いる『アリババ』は、どういう概念でビジネスをしているのか。
我々は、揚子江を泳ぐワニ
マー氏は中国進出を狙う、BtoB、CtoC、BtoCサービスや、それに付随する決済各社について、こう語る。
『我々はアマゾンの様に、海で獲物(顧客)を狙う競争なら負けてしまうが、
中国という限られた市場であれば勝てる自信がある。何故なら、我々は揚子江を泳ぐワニだからだ。』
アリババが、ここまで成長した背景にあるのは、中国の国民性を巧く掴んでいることにあるだろう。
日本人はお金儲けの話をあからさまにする人は、品格が疑われる。
中国では、親族の間だけでなく、友人の間でも『いくら儲かった』というお金の話は日常会話の間に盛り込まれているのだ。
これは国民性の違いであり中国人は『お金を無駄にしたくない、モノを無駄にしたくない』という意識が高い。
その証拠にアリババの参加にあるネットショップ『天猫(Tモール)』では商品が気に食わなければ100%返品可能だ。
昨今の中国人が品質にシビアになっているのは、こうした事が背景にあるのも考えられる。
いかがだろうか。
マー氏の生涯は、検索サイト『百度』の創業者・李彦宏と比べられる事が多い。
李氏は高学歴で、お醤油顔のイケメン、米国留学の後シリコンバレーで働き戻ってきた。
オヤジの中には、同僚もしくは部下が帰国子女で、事あるごとに留学だの一流大学出身をチャラチャラひけらかされウンザリしてる人も多いだろう。
そんな時には、マー氏の生涯を思い出すといい。
世の中には不可能はないのだ。