二刀流の本家本元・宮本武蔵に立ち返ってみる
- 2018/04/16
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大谷翔平よりも宮本武蔵
二刀流と言えば、今をときめく大谷翔平のことでしょう。
開幕前は全く評価をされていなかったこともあり、メジャーリーグデビューをするや、投打に活躍をしているプロ野球選手・大谷翔平は注目されています。
しかし元々は二刀流と言えば、宮本武蔵が使っていた剣術のことです。
両手に剣を持って立ち向かう剣術で名をはせたもので、そこから違った分野で同時に活躍をする人のことを指すようになったのです。
・「五輪書」を読んでみたか
宮本武蔵は漫画「バガボンド」でその存在感も高まりましたから、彼の生き様も割と知られてはいるようです。
宮本武蔵を参考にするべきエッセンスは、本人がまとめたとされる「五輪書」に散りばめられています。
江戸時代の一剣豪の著したこの作品には、現代になっても通用しているのです。
この中にある生き方の哲学をシンプルにまとめてみました。
五輪書を読んでみる
五輪書はその名の通り地の巻、水の巻、火の巻、風の巻、空の巻の5巻で構成されています。
内容は覚えずともこの地、水、火、風、空の5つの言葉の意味するところだけを知っているだけでも充分な哲学になります。
わかりやすく短くまとめた本も市販されていますので、手に取ってみることをおすすめします。
・地の巻
人の考え方のベースを押さえています。
良く耕しながら自分を支える大地を固めておかなければ、自分も成長できないのです。
・水の巻
縦横無尽に流れる水の中では、水と一体化した戦術が有効なことなどを記しています。
・火の巻
さらに戦の現場では相手の繰り出す技や人数なども一瞬にして状況が変化しますが、それに対しても瞬間的に臨機応変に身をこなせることが大切としています。
・風の巻
自分を鍛えることばかりに集中せず、周囲の人がどのような戦術を磨いているのか、それらを把握すれば結果的に自分の役に立たせられるものとしています。
・空の巻
知識、技術、体力と揃ったところでそれらを最大限に引き出せるための気力のあり方を集大成としてまとめています。
ここが五輪書の最も肝な部分となります。
心頭滅却の境地のままに事を為すヒントが隠されているのです。
これだから宮本武蔵は人気がある
今時、チャンバラが上手になっても意味はありませんが、五輪書の概略がこれだけわかっただけでも現代人に使える内容であることが察知されたと思います。
もう少し噛み砕いて説明してみましょう。
おそらく、とても強いのに誰にでも真似できそうに感じられるでしょう。
・構えが無い
剣の道には上段、中段など決まった構えがありますが、状況に応じて自然に取れる構えが最善の構えとなると著しています。
二刀流なのも武士は通常、刀と脇差の二本を持っていますので、それを無駄にせず有効に活用したかっただけだったと言われています。
二刀流なだけでこれと言ったスタイルは持っていない剣術は、掴みどころのない剣術でもあったようです。
得意技も無ければ不得意な技も無く、その時々の流れに応じたスタイルなのです。
・先手必勝
「先んずれば人を制す」という諺の実践者であったと言われてます。
攻撃の手は相手が先になることがあったとしても、それでも一早く守備を固め逆に先に一撃を加えることに徹していたようです。
形成を逆転しての勝利の圧倒的な難しさを知っていたのでしょう。
・目的を見失わない
どんな風に相手を斬るべきかテクニックに溺れず、とにかく相手を確実に殺してしまうという目的を達成することだけを考えていたのです。
そのため泥臭くてずるいと批判されそうな手も使っていたともされていますが、そうやって剣術家としての実績を挙げていけたのでしょう。
理論に長けていても評価はされず、ただ実績こそが評価に繋がるものとの信念が、今に残る歴史上の人物となれたとも言えるでしょう。