記録的な大災害下では、濃密な人間関係なくしては生きていけない

  • 2018/03/19
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人間関係の希薄化はそんなに問題なのか?

人間関係の希薄化はそんなに問題なのか

「少年犯罪、無縁社会、これら全ての原因とされているのが人間関係の希薄化です。
人間関係の希薄化は昭和を生きた人間が一番感じていることだと思います」。

引用:「サザエさんから見る人とのつながり」

……いきなり引用で申し訳ないのですが、こちらは、とあるブログの一節です。といいますか、こんな言い回しってワイドショーなどでも、しばしば耳にしますよね。そして、大抵は「昭和のころは人間関係がもっと密だった」とか、「昭和のころは助け合いの精神が生きていた」とか、こんな風に続きます。

犬助も希薄な人間関係は実感する一人。賃貸マンションの近所の人たちと挨拶ぐらいはするけれど、それ以上の関係を積極的に求めようとはしません。
そして、希薄な人間関係を好む一人です。だって、近所の人たちが他人の家庭の事情に首を突っ込んでくるような社会なんてまっぴらごめん。昭和の時代を生きた犬助ですが、そんな濃密な人間関係が昭和のころにあったとは知りませんし、そんなものがあったとしても懐かしむ気にもなれないのです。

 

記録的な豪雪に地方都市は大パニック!!

記録的な豪雪に地方都市は大パニック

この度、犬助が住む地方では、積雪140cm超という記録的な大雪に見舞われてしまいました。
まあ雪国ですから、例年程度の雪ならば充分に対処できます。しかし140cm超の積雪とは、ほぼ40年ぶりのもの、例年の7倍というものですから、さすがに勝手が違います。

数100台もの車が幹線道路で立ち往生したりとか、除雪車が足らないばかりか物流もストップしていますから軽油も足らないとか、救急車やパトカーが頻繁に走り回っていたりとか、電車もバスも全部ストップするとか、オフィスに出てくる人がほとんどいないとか、学校は軒並み休みになるとか……まあ、地方都市はパニックになってしまいました。

「そんな状況は危険だから、家にでもこもっていればいいじゃないか?」という声が聞こえてきそうです。しかし、家にこもっていれば思わぬ事故にあったりはしませんが、事態は改善するわけでもないのです。その場をやり過ごすということはできない、何もしないでいても雪は降り続いていますから、事態は悪化するばかりなのです。

主な足である自家用車は雪に埋もれていくばかり、雪かきをしてもまだ降り積もる、さらには雪を捨てる場所がなくなる……そんな事態になってしまいます。

 

危機的な状況が、人々を協力させる

現在、犬助はすでにお話した通り、人間関係が希薄な賃貸マンション住まいです。
そこに記録的な大雪です。共同の駐車場の雪は捨てるところがなくオーバーフローを起こしてしまう、圧雪で覆われた駐車場は凹凸が激しく、本格的なオフローダでもなければ走れない。
ほとんどの車が動かせないという状況に陥ってしまいました。

すると……まあ、希薄な人間関係でつながっている住人たちにもかかわらず、協力するものなのですね。協力して雪を捨てる場所を開け、協力して駐車場を確保する。顔を知っているだけといったレベルの住民たちが話し合って方針を決めて、協力して同じベクトルで動く。

こんなことが普通にできてしまうのです。マンション住人のほとんどが除雪道具を手に、協力して働いている様は非常に感動的なものでした。
その一方で、思ったのです。
他人を思いやったり、協力し合うようになったら終わりだな、と。

 

希薄な人間関係の日々の方が、社会としては健全である

希薄な人間関係の日々の方が、社会としては健全である

個人の力でどうしようもなくなったら「思いやりを持とう」などと誰が呼びかけなくても、放っておいても人間関係を築き、助け合うのが人間なのです。

反面、そんな状況に陥るというのは危機的なケース。
そんな光景を日常的に見ることができるようになったならば、それこそ世界の終わりか何かという状況に違いありません。

ですから、冒頭の引用にあるような状況を懐かしむなんて、それはとんでもないことではないかと思うのです。そんな濃密な人間関係が築けていた昭和の時代があったとするならば、それは大戦中や戦後の混乱期。そうしなければ生きていけないから、そうせざるを得なくなっていたというだけで、誰も好んでそんな人間関係を築いていたのではないと思うのです。

ですから、誰もが周りを思いやり、濃密な人間関係の中生きているなんて状況は、決して良いものではないと思います。一日も早く、希薄な人間関係の中にある日々が戻ります様に。

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アントニオ犬助
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みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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