とりあえず出しておきますね、医師が生活習慣病の患者に出すけど自分は飲まないDQN薬って?
- 2018/03/01
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体調が気になり、受診した病院で『とりあえず出しておきますね』と言われた薬。
『医師の処方箋は絶対安全』と思い込んでいないだろうか。良い医者ほど『とりあえず~』が危ないという。
ヤジアップが、気になる生活習慣病の薬で、どんなものが具体的に『危ない』のだろうか。
高血圧のARB御三家は万能ではない
日本では30歳以上の2人に1人が高血圧だという。
高血圧の人に処方される薬に、アンジオテンシンⅡ拮抗薬(ARBⅡ)がある。
主な薬品名はディオパン、ミカルディス、プロプレスだ。
ARBの基本構造は武田製薬により、’70年代に発見されたものの、高血圧の薬としてARBⅡが市場に出始めたのは’90年代の終わり。
カルシウム拮抗薬などに比べ、長期服用による副作用のデーターが患者数比べ少ないのが難点というのだ。
ARBⅡは、確かに効力がある高血圧薬だが、血圧を穏やかに下げるというよりも急激に下げる薬なので、心臓や脳に負担がかかるという面では、中高年にお勧めできない薬らしい。
生活習慣病治療の権威・新潟大名誉教授・岡田正彦氏によると、高血圧患者に利尿剤を処方する事もあるという。
ただし利尿剤の中には血管を傷つけるものもあるので、心筋梗塞のリスクが高くなる事もある。
あくまでも規定よりも少量処方、原則は食事療法という事だ。
血液サラサラ薬は脳出血のリスク大
抗血栓薬と言えば、ワーファリン、アスピリン、プラビックスが挙げられる。
コレステロール値で引っかかったり、造影剤検査となった時に、脳に小さな血栓があるのが見えた時に、『念のため出しておきましょうね~』と、これらの抗血栓薬を処方された人もいるはずだ。
だがこれらの薬を一旦飲み始めると『食事で血液をサラサラにする』事が出来なくなってしまう。
しかも抗血栓薬が血液をサラサラにしてなおかつ、血栓ができない様に予防し続けるという確証はどこにもない。
それよりも副作用の方が甚大で、出血しても止まらなくなる。もしもこれが脳出血だった場合は死んでしまうのだ。
脳の血管が細い、もやもや病患者に、間違っても処方すべきではない。
血栓を取り除く効果がある納豆を食べ、規則正しい生活をする事の方が、血液はサラサラになる。
プラビックスは、心筋梗塞のステント治療後に血栓予防として処方する分には効果は現れている。だが脳の場合は別だ。
本当に良い医者であれば、薬を勧めたりしないだろう。
糖尿病の薬で不整脈も
高血圧、ドロドロ血などと並び、生活習慣病として挙げられるのが糖尿病。
糖尿病で広く処方される薬に、アマリール、オイガルコンなどスルホニル尿素(SU)製剤がある。
SU製剤は、血糖値を下げる効果があるが、劇的効果=劇薬ともいえるのだ。
元々この薬は、食事療法・運動療法がきちんとできているのに血糖値が下がらない人向け、つまり緊急用という事になる。
糖尿病専門内科を開業する西田亙(わたる)氏によると、中高年の糖尿病患者の救急搬送の原因がSU製剤だったという笑えない話もあったという。
このような劇薬が広まった背景には、医師も患者も『糖尿病=血糖値さえ下げればいい』という治療方針の間違いにある。
ストレスを溜め込んでいる人がSU製剤を服用すると、低血糖のため不整脈が起こったり、体力が低下している病み上がりの人や中高年の場合、最悪の場合昏睡状態から死に至る危険性もあるというのだ。
糖尿病患者には、4年前に出たSGLT阻害薬を処方しているという。
SGLT阻害薬は、糖尿病患者には腎臓病を併発する患者も多い事から、インスリンに作用せず、腎臓に負担をかけにくい処方になっているという。
使い方を間違わなければ将来的には非アルコール性脂肪性肝疾患(NASH)にも効果が期待できる薬だ。
多忙な医者は、限られた時間の中で、多数の患者を診て、なおかつ、新薬の情報も頭に入れながら、患者と向き合わなくてはいけない。
患者自身も不適切な処方をさけるためには、既往症、現在の病状を自分自身でよく理解し、医師に的確に伝える必要がある。
生活習慣病がある人は、お薬手帳を持ち、気になる点は薬剤師や医師に臆することなく聞く事が大事だ。
これこそが医師にとっても『良い患者』になる近道でもある。