戦争にもルールがあるって本当?
- 2017/09/02
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戦争は外交の一手段であるという事実
戦争は悲惨なものであり、尊い人命や財産を失わせるものだから絶対にやってはいけないもの。少なくとも日本人であれば小さいころからこのような教育を受けてきた人がほとんどです。そのおかげかどうかは別にして、第二次世界大戦終結から72年間、日本は表立った戦争をしていません。奥歯にモノが挟まったような言い方ですが、朝鮮戦争に掃海部隊(但し、海上保安庁)を出している点で、戦争にまったく参加していないとも言い切れない部分があるからです。
しかし、世界中を見てみれば、この72年間に大小様々な戦争が行われています。戦争が行われていない時期の方が少ないのではないかと思えるくらい、いつもどこかで戦争が起きています。
なぜ、こんなにも戦争が多いのでしょうか?
無法者が統治する国が多いからでしょうか?
そのような面がないとはいえません。しかし、多くは戦争が外交の一手段であることが理由となっていると言えそうです。
外交問題の解決手段として使われるのが戦争という話です。そうすると、戦争にも国と国との外交としてのルールが存在することになります。事実、戦争にもルールがあります。いわゆる戦時国際法というものによって、戦争でやってはいけないことなどが規定され周知されています。
戦争の基本的なルールとは
第二次世界大戦における日米戦争において、日本側の宣戦布告文書の交付が真珠湾攻撃の開始後になったことから「騙まし討ち」との非難を浴びることになりました。つまり、戦争を始めるときはちゃんと通告すべきだというものです。この点は、日本側の痛恨のミスでした。それはともかく、実際の戦争は必ずしも明示の宣戦布告を開始合図としているわけでもなく、ある行為が宣戦布告にあたるか否かの争いがあるなど難しい問題ではあります。
さて、始まってしまった戦争については、お互いの信頼を損ねないように遂行する必要があります。個人間の喧嘩や反社会的勢力の出入りであれば、信頼なんかあるわけないだろ!となるところです。しかし、国家間の戦争はルールに従うべき外交手段として信頼は重要です。
勿論、友人関係の信頼ではありませんので、相手は攻撃してこないだろうなどというレベルのものではなく、最低限度のモラルのようなものです。例えば、赤十字マークを付けた相手を攻撃しないとか、逆に赤十字マークを偽装して奇襲をかけないなどです。
また、降伏した敵への攻撃や、捕虜の虐待は当然に禁止されています。さらに、軍以外の人間を攻撃してはならないのも重要なルールです。しかし、実際には往々にして民間人への攻撃が行われています。問題は、こうした戦争のルール自体が戦闘員に徹底されていないケースです。そのようなルールがあることさえ知らないというのでは、単なる殺戮が行われるだけになってしまいます。
戦争をすることがないから戦争のルールなど知る必要がないという考えもあります。しかし、自分にその気がなくても、起きてしまう可能性を持つのが戦争です。ルール違反の戦争犯罪人にならないように注意すべきかもしれません。