公務員の飲酒運転と処罰に関心が高まっている?
- 2017/09/03
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公務員の身分は何よりも重要という考え
飲酒運転がダメなことは子供でもわかることです。いい年をしたオヤジなら、飲酒運転などするわけがありません。と言いたいところですが、現実には飲酒運転を公言してはばからない犯罪思考のオヤジも存在しています。そこまで狂っていなくても、軽い気持ちで飲酒運転をするオヤジはなくなりません。
この現実は、国民や住民全体の奉仕者である公務員の場合でも特に変わりはないようです。2017年8月に全国を駆け巡った報道に、ある町の職員についての酒気帯び運転に関する裁判にあたり、町長以下多数の町職員が寛大な処分を求める嘆願を行ったというものがあります。ここには、教育長まで加わっていたとのことです。ちなみに、嘆願した職員は120人規模で、全職員の1/4だそうです。人口3万に大きく満たない町で480人もの職員がいるとすれば少し驚きますが、それは本題とは関係ありません。
この町は香川県の三木町で、飲酒運転を行ったとされる職員は38歳の公務員となっています。このニュースが流れると、全国で疑問を投げかける声が噴出しました。それも当然で、飲酒運転がいかに危険な暴挙であるかが叫ばれ、全国的に飲酒運転撲滅への取り組みが行われている最中です。にもかかわらず、公務員が飲酒運転で検挙・起訴されたばかりか、刑を軽くしてくれと町長や教育長、多数の職員が嘆願する異常事態になったのですから、国民が呆れ、怒るのは自然な流れでしょう。
なぜ、このような「検察も違和感を覚える嘆願」ができるのでしょうか?その答えは、公務員の身分にあるようです。何よりも重要なのが公務員という身分なのでしょう。
禁錮以上の刑でクビになってしまう
町職員は地方公務員です。地方公務員の懲戒に関する規定には、禁錮刑云々の文言はありません。しかし、欠格に関する地方公務員法16条の規定が失職させます。つまり、禁錮以上の刑になると、地方公務員である資格がなくなるのです。
今回、嘆願に至った理由として、この規定の存在があげられています。曰く、公務員をクビになってしまうとかわいそうだというものです。個人的にかわいそうだと思うのは自由です。しかし、個人の資格で嘆願したのだから問題はないという話でもありません。町長や副町長、教育長や町職員の多くが「飲酒運転してもクビになるのはかわいそうだから助けられるべきだ」との考えや意識を持っている個人だったということです。恐ろしい話です。
いや、民間ではその程度でクビはあり得ない!公務員だけ不当に厳しい処分をされている!というのであれば、理解できる部分もあるでしょう。しかし、現実には民間の方が甘いなどというエビデンスはありません。それこそ、各企業で独自の判断をするわけで、問題にしない企業があったとしても、一方では一発解雇も珍しくないです。どちらが真っ当かは議論するまでもないでしょう。
また、罪を憎んで人を憎まずだから、寛大な刑にすべしというのであれば、そもそも重い刑罰など不要だという話になります。そうであれば、今日までに出された各種判決は量刑不当というべきものが大量に存在することになりかねません。
また、この町では2014年に臨時職員が飲酒運転で有罪判決を受けています。判決を受けて、同じ町長のもとでこの臨時職員はクビになっているとの報道があります。その時も判決前に裁判所への嘆願が行われたのでしょうか?おそらくなかったのでしょう。あればニュースになったはずです。臨時職員と公務員の越えられない壁なのかどうかはわかりません。そして、再発防止はできなかった。いずれにしても、住民の意識が問われることになりそうです。他の自治体に居住するオヤジも、他人事だとは思わないでおきましょう。