いま話題のイージスアショアとは?
- 2017/08/29
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イージス艦の陸上バージョンがイージスアショア
イージスと呼ばれる軍事アイテムといえばイージス艦がお馴染みです。そこで、イージスアショアと聞けば、イージス艦と何か関連していそうだなと思うオヤジが多いことでしょう。まさに、その通りです。イージスショアはイージスシステムを陸上で運用するもの、陸に上がったイージス艦ともいえます。
イージスアショアのシステム風景をみると、イージス艦の艦橋構造物とその周辺によく似ています。それもそのはずで、もとも同じシステムであり、イージスシステムに欠かせないSPY-1レーダーなどを設置しているため、この2つが似るのは自然なことです。
では、イージス艦とイージスアショアが併存する理由は何か?
海上を移動できるイージス艦は、必要に応じて居場所を変えることができます。しかし、海外派兵で使用する海軍以外では、あまり移動しなくてもミサイル迎撃任務に支障はないでしょう。イージスシステムひとつのカバーできる範囲が広いからです。移動できる利点は、ズバリ!攻撃を避けられることにあります。また、所在をある程度は秘匿できる利点もあります。ある程度ですが。
一方、イージスアショアは地上基地に固定ですから敵に狙われたときに逃げることができません。これだけ見れば、移動できるイージス艦の方が優秀なように見えます。しかし、イージスアショアは移動しなくてよいとも評価できます。燃料を消費して荒波を突っ切る必要もありませんし、イージス艦のような航海科や機関科をはじめとするイージスシステム以外の軍艦運用人員を必要としません。補給整備や休暇が大がかりな艦艇とは異なり、費用面の違いもあります。
つまり、双方にメリットとデメリットがあるわけです。
イージスアショアの効果
日本の場合、敵が撃ち込んでくる弾道ミサイルへの備えは、イージス艦による弾道ミサイル防衛と地上配備型PAC-3による弾道ミサイル防衛の2段構えになっています。ここにイージスアショアが加われば3段構えになるのでより安心だとの声があります。確かに、迎撃手段が増えることはよいことです。但し、ほんとうに3段構えといえるのかについては疑問の声もあります。イージス艦もイージスアショアも同じイージスシステムだからです。
そのため、高空で迎撃するイージスと、低空で迎撃するペトリオットという2段構えである点は変わらないともいわれます。この2つのとは異なる迎撃システムがあってこそ3段構えになるのだと。THAAD(サード)があれば3段構えだともいわれますが、兵器の多様化に対応することは容易なことでもなく、共通項の多いイージス艦とイージスアショアだからなんとかなる部分もあります。
徴兵制で急に集めた兵隊では使い物にならないとされるもの、こうしたハイテク装備が多くなっているためです。動けるイージスと動かないでよいイージスの利点を活用すれば効果的に運用できるでしょう。
問題は、周辺国が日本へ向けていると推定される弾道ミサイルの数です。エリア的なカバーだけを考えるなら、多数のイージスシステムは必要ありません。しかし、数十発どころか数百とも千単位ともいわれる「日本向けミサイル」を迎撃するためには、中途半端な数では間に合いません。このような専守防衛兵器の増強をしっかりやることも重要です。