軍隊編成の基礎知識~周辺国の地上部隊~
- 2017/08/14
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地上部隊の一般的な階層
ひと口に軍隊といっても、国によって編成規模に違いがあります。地上部隊などは人口や置かれている状況で人数に差が出やすいでしょう。一般的な陸軍の階層としては、軍・軍団・師団・旅団・連隊・大隊・中隊・小隊・分隊などがあります。
日本の陸上自衛隊には、方面隊が置かれています。北部方面隊から西部方面隊まで5つが置かれています。この中に、あらゆる種類の部隊を抱えて担当地域の防衛を担うわけです。下層部隊である師団は、一定の担当地区において独立して戦闘可能な各種部隊を抱えています。その師団を構成するのが特色を持った連隊です。戦車連隊や歩兵連隊など、装備する兵器や兵員の職種で分かれています。例外的に、各種の機能を持った連隊もあります。
連隊は大隊や中隊で構成されており、その中には、さらに小隊以下の単位が存在します。縦割りの階級社会である軍隊において、大規模な部隊を一括してトップの一声で運用するよりは、各階層に分けて各級指揮官による運用にした方がベターなのは間違いありません。オヤジ社会でも同じで、数千人の従業員を社長1人が直接指揮するなんてことは無茶な話です。
ちなみに、国によって各級指揮官の階級は異なります。ありがちなのは、連隊長が大佐・大隊長が少佐・中隊長が大尉・小隊長が中尉か少尉、分隊長以下に下士官といったところです。それ以外のケースでも、少佐が連隊長になるとか、中佐が小隊長をやるなどのように大きく離れることは少ないでしょう。
地上部隊のメインは歩兵?
日本の周辺国で多くの地上部隊を抱えている国といえば、中華人民共和国が一番に思い浮かぶでしょうか。その他にも、朝鮮民主主義人民共和国・大韓民国といった国は多数の陸軍兵力を置いています。大陸国家や大陸の一部である半島国家ならではともいえるでしょう。
中国の場合は、共産党の軍隊として人民解放軍が知られています。同時に中国軍でもある人民解放軍の陸軍兵力は推定150万人前後と多数ですが、人口規模を考えると少ないような気もします。勿論、これ以上増えてもらっても困りますが。ただ、中国には人民解放軍の正規軍以外にも兵力が存在するとされており、全部合わせれば日本の20倍くらいになるかもしれません。
人海戦術から脱皮して機械化を急いでいるともいわれる中国軍ですが、目下のところは歩兵戦力がメインだともいわれています。仮に、これだけ多くの兵員を抱える陸軍がハイテク化を完了した場合は、とてつもない脅威となりそうです。
北朝鮮の場合は、100万人近い陸軍兵力を保有しているとされています。人口から見れば多すぎるようにも考えられますが、先軍政治と長期の徴兵制を採用しているからこその数でしょう。但し、その装備は近代戦には相応しくないと観測されており、歩兵の頑張りに負うところが大きいようです。
さて、韓国陸軍ですが、北朝鮮と対峙している関係で、こちらも50万人と人口の割に人数が多くなっています。西側の陣営に入っていることから、装備は比較的新しいものが多いです。しかし、防衛関連の不正や整備運用能力への疑問から、実際にどれだけの戦力となるかはわからない面があるといわれています。また、北朝鮮との小競り合いに際して、思ったほどの力を発揮できなかったとの報道まであります。そうなると、最後は歩兵頼みです。
さらに、これらの国は有事には一気に兵員を増やすことが可能です。しかし、最新兵器も一緒に増やすことは容易ではありませんし、運用能力を持った兵員も限られるでしょう。つまり、小銃を持った歩兵が増えるイメージです。国防の観点からは、人海戦術にどう対応するかが問題となりそうです。