いざという時に助からない!それでもあなたはタワマンを選びますか?
- 2018/09/13
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毎週末の様に、タワマンの見学会のチラシがポストに入ってくる程、タワマンブームに沸く日本。
東京23区、横浜、大阪キタなどの主要都市だけでなく、タワマンブームは地方駅前にも及んでいる。
家のローンも返済完了し、子供が大学を卒業し家を離れ、親の介護はまだしなくていい呑気なオヤジに限って、タワマンという名の見栄に手を出しがちだ。
正直に言う。
ただでさえ、タワマンには変な見栄っ張りや、おかしな金銭感覚の持ち主の人間が入居しているのに、大枚はたいて、入居する必要などあるのだろうか。
トム・ヒドルストン主演の『ハイ・ライズ』では、スーパーセレブレティばかりが入居する超高層タワマンがもたらす人格の狂った人々が崩壊する有様を描いた映画だった。
その中で、普通の人間の感覚をキープしようと足掻き、もがく主人公の姿は、皮肉がまじったブラックコメディにも見えた。
あの映画の公開後に日本でドラマ化されたのが、タワマンのママ友のヒエラルキーを描いた『砂の城』だった。
この様に、タワマンに住んでいても金は消えるがロクな事はない。
ではマンションで、これから住むべきなのは、どういった所なのか。
タワマンは、富裕層にメリットを置いて設計されている
タワマンは、不動産会社が売りにしている物件の一つでもあるが、売り文句となっているのは以下の事柄だ。
1:駅直結、もしくは駅から5分の所にある
2:役場、ショッピングモールなど公共施設がタワマンの低階層にある
3:都心部のタワマンは、施設管理者や技術者がきちんとしているのでセキュリティがしっかりしている。
4:高層階の眺望がよい
5:ゴミ捨ては、きまった曜日でなくてもよい
6:東京五輪までは値崩れしない
7:高層階を買えば相続税対策に使える
実際に、都心の高層階を1億円以上で購入し、賃貸に回している人の多くは相続税対策だ。
親から莫大な遺産を相続したが、そのままでは税金がかかってしまうので、実業家などに賃貸に回している人である。
マナーのいい実業家相手に賃貸に回している分には、問題はないだろうが、この相続税対策。
ゴミ出しや、騒音など、マナーも弁えない、東南アジア系の訪日観光客相手に違法民泊として貸し出している人が発覚した為、タワマンの相続税対策が問題視される様になってきた。
立地の良さが仇となった次第である。
タワマンとはいえ、マンションの高さが高層化し、そこに住む人のヒエラルキーが変わっただけの事。
よくよく考えてみれば、富裕層でもないかぎり、あってもなくても良いようなものなのだ。
人間関係が難しく、いざという時に助からない
ではタワマンに住むことのデメリットはなんだろうか。
タワマンに住む事、借りる事両方の最大のデメリットは先ほども言ったように人間関係だ。
東京23区、横浜、大阪キタ以外のタワマンに住む人の、民度はお世辞にも高いとは言えない。
本当のお金持ちは萎縮しなければいけない程、成金が横柄な態度で理事会で威張り散らす事も多いのだ。
そこそこ眺望のよさそうな階層をビジネス目的で借りて、東京五輪までに4年で出ていく人は、一番得をするかもしれない。
問題は買ってしまった人だ。
維持費、修繕管理費、積立金などが高くなる。
その他にも、引っ越しの度に家電家具を買い替える人は多いと思うが、タワマンは意外にも間口が狭く、玄関やエレベーターから入らない家具は原則搬入禁止。
イケアの様に、組み立てられるのはいいが、解体できない家具は一番嫌がられる。
これからタワマンに住む人に受け入れられるのは、素人でも組立、解体が出来る家具だろう。
外に洗濯物が干せず、毎日乾燥機を使う事になるだけでなく、ネット回線が共有なので、スピードが遅い所では生活に支障が出る。
それだけではない、日本独特の最大のデメリットは、天災に弱い事だ。
タワマンは、地震、台風、大雨の時にどこにも避難できない。
真夜中に大地震でも起これば、管理会社によりエレベーターもストップされ、オートロックで施錠された玄関で缶詰にされてしまえば、表に出る事もできないのだ。
4階建て公団や10階だてニュータウンに住んでいれば助かるかもしれないのに、タワマンに住んでいた為に助からなかったという事もあるだろう。
それでもあなたはタワマンを選ぶだろうか。
何故日本のマンションは、中層が多いのか?
日本のマンションに、4階だてや、8階、10階、14階だてが多いのは理由がある。
建築基準法と消防法だ。
日本では、国土交通省の法令の運用などに基づき、低層は1~2階、中層は3~5階、6階以上は高層建築物と呼ぶ。
これにより、地上に出る直通階段の設置数、エレベーターをつける本数の数を決めているのだ。
建築基準法により、中層までは、地上に出るまでの直通階段は建物の中に1つだけ作ればよいという事になっている。
その為、’60年代までに作られた公団には4階だてのものが多かった。
それ以降作られたニュータウンは、高層化が進み、直通階段が2つある6~8階だてのものが出来てきた。
’60年後半~70年後半には、工場跡地、埋め立て地に、10階~14階だてニュータウンが次々と出来、これらのニュータウンにはエレベーターが設置された。
今やこれらの公団、団地も老朽化が進み、リノベーションが課題となっているが、タワマンをリノベーションするよりも、ずっとお得で助成金が受けやすいという。
高度経済成長期のマンションに10~14階だてマンションが多いのは、消防法の関係だ。
消防車のはしごが届くのは、建物の10階までが限度とされており、それよりも高い階層になると消防ヘリが出動しなければいけない。
昔の団地は、ニュータウンを作ると同時にその周りに一戸建てを宅地造成する事を前提に作られていたので、スーパー、医院など、役場など公共施設などインフラがあって当たり前なのだ。
活用しない手はない。
では昨今のオヤジの子供たち、つまり若者は、住むにあたってどの様な事をもとめているのか。
オヤジの子供たちは、スーパーとwifiがあればいい?
東急不動産ホールディンググループの『ナジック』によると、一人暮らしの学生たちは、物件を選ぶ時の利便性に
1:スーパーが近くにある(76.9%)
2:駅が近くにある(67.4%)
3:学校が近くにある(54.7%)
4:コンビニの近く(54.1%)
5:病院が近くにある(23.4%)
を挙げた。
第一位はオヤジ世代にとって意外かもしれないが、学生が『自炊するようになった』事が背景に挙げられる。
そして『家賃が高くなっても欲しいもの』として選んだのは
1:バス、トイレ(63.3%)
2:無料wifi(44.9%)
3:収納スペース(39.9%)
4:オートロック(37.7%)
5:独立洗面台、宅配ボックス(31%)
だった。
これらを見ても判る通り、見栄で選ぶタワマンという言葉はどこにも入らない。
駅からほどほどに近く、病院、スーパーなど公共インフラがあり、wifiが使える事が第一条件なのだ。
いかがだろうか。
一戸建てを選ぶならいざしらず、見栄や投資目的でタワマンを買う、借りるという事がいかに危険かという事である。
私が仮に一億不動産マンション投資に回すとするのであれば、タワマンには回さないだろう。
今であれば人間関係がきちんとしたサ高連に回すと思う。