運転手が急病に~緊急停止システムの話題2つ
- 2018/05/26
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自動運転の一形態としての緊急停止システム
本格的な自動運転システムの実用化が現実のものとなりつつある今日、期待されているのがドライバーに異変が生じたときの緊急停止システムです。
このシステムについて、国土交通省がガイドラインを策定したとして話題になっています。世界初とされるガイドラインでは、ドライバーが急病などで運転操作をできなくなったとき、事故を防ぐために緊急停止する自動車が念頭に置かれています。
国土交通省が策定したのは、平成30年3月29日の自動車局技術政策課の資料によると「世界初!路肩に自動で退避させるドライバー異常時対応システムのガイドライン」です。ドライバーが病気の発作を起こしたときなどに、異変を察知して路肩に停める自動運転システムですが、実は平成28年には別のガイドラインが策定されています。
それが「減速停止型ドライバー異常時対応システム」のガイドラインで、異常時にはスピードを落としていって停止させるタイプのシステムに関するものです。今回は、一歩進めて路肩に停めるシステムである点が特徴となっています。そのため、前回の「減速停止型」に対して「路肩退避型ドライバー異常時対応システム」のガイドラインと呼ばれています。
ガイドラインを策定する背景には、自動運転システムの開発が進むなかで、各社バラバラなものになるのは好ましくないという観点もありそうです。ユーザーから見ても、どのメーカーのどの車種に乗っても同じように動いてくれるのがベストだといえるでしょう。
現在の技術から見れば、路肩退避型ドライバー異常時対応システムの実用化は比較的容易だともいわれています。各種のセンサー技術は十分に蓄積されているでしょうし、期待も大きいといえます。このシステムを搭載した自動車が増えれば、重大事故の減少に役立つことは間違いありません。
日野自動車は自動停止バスを市場投入へ
さて、そんな中で緊急停止2つ目の話題は自動停止バスの市場投入のニュースです。
日野自動車が発売する「日野セレガ」という観光バスがそれで、自動車の自動運転システム任せではなく、緊急時に周囲の人たちが積極的に停止操作を行える点が特徴です。
具体的には、ドライバーが発作を起こすなどして運転不能状態になったとき、それを察知した周囲の人間、たとえば、添乗員や乗客などが「スイッチ・ボタンを押すだけ」で、安全に停止する自動運転システムが作動するというものです。
スペック的には、高速走行中でもボタン操作から10秒程度で停止できた例が報告されています。このシステムを搭載する予定となっているのが「セレガ」であり、セレガには、すでにさまざまな安全性能が搭載されています。
このシステムを標準装備した改良型のセレガが市場に投入されるのは、2018年の夏だといわれており、もうすぐお目にかかれることになります。
これまで、運転手が心臓発作を起こして事故になったとか、運転手の発作に気付いた乗客が決死のハンドル操作やブレーキ操作を行ったなどの事例もありました。そうしたケースでも、大きな負担なく安全を実現できる新型セレガには期待が集まります。
現在のところは、前述の国土交通省ガイドラインでいうところの「減速停止型ドライバー異常時対応システム」の一種と呼べるでしょう。今後は、「路肩退避型ドライバー異常時対応システム」へと発展させる予定もあるとか。
これからは、自分が乗る路線バスや観光バスにこうしたシステムが装備されているかどうかを気にする時代になるのかもしれません。
こうしたシステムも含めて、いよいよ自動運転社会の実現が迫ってきたと考えることもできます。運転が苦手なオヤジにもやさしい時代が一刻も早く到来することを願いましょう。