BMWミニって言うほど車体はミニじゃない!?その理由とは
- 2018/04/22
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BMCとBMWで大きく変わったミニ
日本では1000年に一回くらいしか大々的に使われないであろう「ミレニアム」という単語に沸いた頃、遠く離れたヨーロッパの地では、ファンの多いクルマ「ミニ」の居場所が変わるという大事件?が起こっていました。
ミニといえば、イギリスの自動車メーカーであるBMCブリティッシュ・モーター・コーポレーションによって世に送り出された小型車です。以来、なんだかんだで約40年にわたって愛されていたメッチャちっちゃいクルマだったのです。それが、2001年からは、ドイツの世界的自動車メーカーであるBMWのラインナップに正式に並ぶという事態になりました。
さて、BMCが開発したミニは、たしかに小さくミニの名に相応しいものでした。ウィキペディアのデータでは、全長が3051ミリ、全幅1410ミリ、全高1346ミリ、ホイールベース2036ミリとなっています。全長3メートルをわずかに超える程度というのは、現在の日本のコンパクトカーよりもはるかに小さく、軽自動車の規格値と比較しても40センチ近く小さい数値となっています。
まさに、ミニです。
ところが、BMWのミニはパッと見ただけでも「デカイ」という印象を持つオヤジが少なくないサイズ感になっています。そのため、あちらこちらで「BMWのミニはミニじゃない」という声が聞かれます。実際、その外形寸法は、日本のコンパクトカーと同等の数値です。それどころか、新型モデルに至っては、セダン並み(ちょっとオーバー?そうでもない?)に巨大化しています。
いったいなぜ、このような事態になってしまったのか!
そこには、もちろん理由がありました。そもそもBMWはミニサイズのミニを作ろうとは思っていなかったようです。
一般部門で戦うミニへ
日本の軽自動車のように、それが当たり前の地位を得ているのであれば、ミニはミニサイズのままでよかったのかもしれません。しかし、軽自動車が高級セダンと同じ土俵で戦っているような日本的文化は特殊な例外といえます。
BMWとしては、少なくともミニサイズのスモールカー市場ではなく、コンパクトカーかそれ以上の市場を狙ったのでしょう。それこそ、限定的なクルマの領域から、一般車の領域へのシフトチェンジです。サイズアップしているのに、その意図がないなんてことはあり得ませんからね。
詰まるところ、ミニの名とフォルムは受け継いだものの、まったく異なる車種としての再スタートだったわけです。
また、そもそもBMW品質ではBMCの寸法のミニは作れないという事情もあったとか。考えてみれば、ドイツが誇る世界的自動車メーカーのBMWとしては、自社の名においてリリースするクルマには、最低限クリアしなければならない条件、載せなければならないさまざまなものがあるはずです。しかも、最低限といいながら、それはかなりレベルの高い話でしょう。しかし、BMCのミニは小さすぎた。だから、必然的に大きくなったというものです。
象徴的なのが、BMCのミニとBMWのミニとでは、タイヤの大きさがまるで異なることです。ああ、これがBMWなのだなと思うオヤジでした。
さて、日本でも成功を収めているといえるBMWのミニですが、もし、BMCのミニ的な寸法のままだったら、どうなっていたでしょうか。いまの寸法だからこそ、好成績を残しているといえるのではないでしょうか。
結局のところ、企業として市場のニーズをいかに捉えるか、また、潜在需要を掘り起こすかという点で、BMWはしっかりと仕事をしたのだろうと考えます。売れる車を作る。それをミニに当てはめたとき、ボディサイズは拡大となった。
もっとも、理由がどうであれ、今後ミニが昔のように小型化していく可能性はほとんどないでしょう。ミニはミニ。そして、いまのミニがミニなのです。この先で求められるちっちゃい車といえば、それこそミニカー的なものでしょう。