日本車に派手なカラーが少ない理由は?白・黒・シルバーの日本の事情
- 2018/04/17
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昭和50年代、派手なカラーの日本車の思い出
ピンクのクラウンに続いて、蛍光イエローのマークXが発表されたのは2014年なのですが、ご存知の人はいらっしゃいますか? 犬助は1度だけ実車とすれ違ったことが在るのですが、まあそのイエロー具合にギョッとしたもの!! まあ、認識性が高くていいかもしれません。
「なぜ、マークXをイエローに塗ったのか?」
トヨタによると初代・マークⅡ登場時、広告用ボディカラーが黄色だったことへオマージュだとか。「まさか、黄色いセダンって!!」と思いながらイメージ検索をかけてみると、確かに蛍光ではないものの黄色なんですね、当時のマークⅡのパブリシティ用カラーは。
そして、これがなかなか似合っていることに驚かされます。
……そういえば近所の中川さんのマークⅡは赤だったし、家のコロナは青だった。
昭和50年代、日本車の派手なカラーの思い出に、しばらくひたっていた犬助だったのです。
白、黒、シルバーの順で人気の日本車
ピンクのクラウン、蛍光イエローのマークX。
これらは話題にこそなりましたが、少数派であることは変わりないもの。セダンに限らず、近年の日本車で目をひくような色は本当に少なくなりました。
「2017年、日本車は白、黒、シルバーの順で人気。これら3色で全体の7割以上を占めている」。こんな発表をしたのは、アメリカ塗料大手「アクサルタ・コーティング・システムズ」。
なぜなのか? 先のマークXとマークⅡの例で考えてみると、その理由はボディのデザインが深く関わっている模様です。
CGによるデザインが、ボディのカラーリングを変えた
例えば昭和50年代のマークⅡ、ボディライン、フロント、リアどれをとっても今見ると非常にシンプルな造形で成り立っています。
なぜシンプルなのかというと、手で描いた2次元の画をクレイモデルに起こすという手順でボディデザインをおこなっていたから。鋼板のプレス技術やプラスチックなどの形成技術も未熟でしたから、現在のような複雑なカタチが造れなかったという理由もあるでしょう。
だからボディそのもののデザインだけで勝負しようとすると、どうしても退屈なものになる。だから派手なカラーリングをほどこす、これが似合うということが起こるのです。
一方で、現代のボディデザインは全てCG、最初から立体でデザインしてしまう。
立体でデザインするということは、最初から陰影を計算に入れてデザインしてしまうということ。そして、それらのデザインをそのまま市販することができるようになりました。
だからデザインの段階で計算された陰影が活きる色=白、黒、シルバーといった無彩色が似合う、好まれる様になったのではないか? と考えるのです。
人気色だから中古車市場でも高い値が付くからとか、白いボデイに限っていうならコーティングを施工する人が一般的になり、汚れのことをあまり気にしなくなったからとか。
他にも色々な事情もあると思うのですが、白、黒、シルバーの3つのボディカラーが日本車の大半を占める様になった一番の理由は、ボディデザインの手法が変化したからというものでしょう。
派手なボディカラーの復権は、果たしてあるのか?
その一方で、ボディカラーの嗜好についての変化も、近年では見られるようになりました。
例えば、スズキ・ハスラーやラパン、ダイハツ・キャスト、トヨタ・パッソなどの場合、白、黒、シルバーのボディカラーはほとんど見られません。最初から設定がないのでは? と思うぐらい、人気であるはずの3色などより、派手なカラーばかり目立つのです。
この理由は同じくボディデザインの変化で説明できます。
これらの車種は派手なカラーが似合うレトロなボディデザインとなっているから。初代マークⅡ同様、現代の日本車で主流となっている白、黒、シルバーの色は逆に似合わないデザインになっているからです。
デザインの世界は繰り返す、このことは服飾の世界を見ていれば気が付くものです。
スズキ・ハスラーやラパンの売れ行きが好調。これを受けて服飾のデザイン同様、車のボディのデザインもこれからは、レトロな方向へ振れる可能性があります……ということは、ボディカラーも派手な色が復権するかもしれない。
このことは、白、黒、シルバーの車ばかりの時代が終わり、街中がもっとカラフルになるということ。これは、歓迎すべきことではないか? レトロデザイン好きの犬助はそんな風に考えるのですが、いかがでしょうか?