バーで見るコロナにレモンなどの光景は本場海外でもみられる光景なのか?

  • 2018/08/25
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  • アントニオ犬助
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ビールとは均一ではないと教えてくれた「コロナ」

ビールとは均一ではないと教えてくれた「コロナ」
原料や製法にこだわったビールたちは、それぞれに個性があって面白いもの。
小規模なブルワリーが手がけた「クラフトビア」が、人気となってしばらくたちます。味わって感じるのは、ビールだからといって決して一くくりにはできない奥深さなのですが、そんなことを初めて知ったのは、今から30年ほど前。メキシコから来たあるビールを目にしたときでした。

「透明のビンに口をつけて、直接ビールを飲んでいる!!」
その銘柄は「コロナ・エクストラ」、ビールといえば茶褐色のビンからグラスに注ぐか、ジョッキ入りを飲むものと思い込んでいた私、アントニオ犬助は、なんとも目新しいコロナの飲み方に大いに衝撃を受けたもの。
犬助もさっそくオーダーしたところ、供されたコロナのビンの口に刺さっていたのは、レモンかライム。どうやって飲むのだ?そこで、2度目の衝撃を受けることになるのです。
聞けば、ビンの口から押し込んで飲むという。

そして、のどに流し込んで知った、軽やかコロナの味わい。
「ビールは決して一くくりにはできない」また一つ大人の階段を上った気がしたのでした。

 

メキシカンビア=コロナではない

メキシカンビア=コロナではない
ライトな味わい、レモンの香り。飲んでいる様もオシャレということで、コロナは日本でもすっかり定着するのですが、必ずしもメキシカンビア=コロナではないということを、犬助が知ったのは、それからしばらくたってから。
在日メキシコ人が経営するレストランへ立ち寄ったときでした。

ドスエキス、テカテ、ソル……そこに並べられていたのは、見たこともないビールの数々。
ご主人によると、全てメキシコのビールといいます。おススメで、とオーダーすると「ボヘミア(Bohemia)」なる一本がテーブルに運ばれてきて、口にすると日本のビールにも劣らない深い味わいとコク。
メキシカンビア=コロナのイメージを、すっかり覆されたのでした。

「太陽の下で水代わりに楽しむならコロナなどライトなビールもいいけれど、晩飯時に飲むのならこっちの方ががいいと思うんだよね」
ご主人の流暢な日本語の説明の通りスパイシーなサルサソースと、褐色の小瓶に入ったボヘミアの相性はバッチリだったのです。

 

一緒に出てきたのは、小皿に盛ったライムだった

そんなメキシコ料理店で驚かされたことが、もう一つ。
ボヘミアのビンの口には、メキシカンビアに付き物だと思っていた、ライムやレモンが刺さっていないのです。
代わりにビールと一緒に出てきたのは、小皿に盛られた塩とライム一切れ。
ご主人によると、これがメキシコで一般的なビールの楽しみ方だとか。

塩やライムを口にして、しょっぱさやすっぱさを中和するためにビールを口にする。
ビンの口から落とし込み、レモンやライムの風味を漂わせたメキシカンビアも旨いものですが、ライムを少々かじりつつ飲むと、ビールが進むこと進むこと。

日本でも本当の酒飲みは、枡の角に少し盛った塩をアテにして飲んだりするといいますが、原理はメキシカンビアも日本酒も同じ。酒飲みの感覚は世界共通といったところでしょう。

 

雑味を消すため説は、どうもアヤシイ……

雑味を消すため説は、どうもアヤシイ……
さて、コロナのビンにレモンなどを落とし込むという飲み方なのですが、最初に流行ったのが30年ほど前の上陸時。その後しばらく廃れたはずなのですが、最近、またバーで見かけるようになりました。

その理由は?というと、どうやら映画「ワイルド・スピード」シリーズの影響だそう。
「好きなビール飲んでいいぜ、もっともコロナしかないがな」なんてセリフが出てくるほど、ヴィン・ディーゼル演じる主人公はコロナ好き、ビンの中にレモンなどを落とし込んでグイグイ飲んでいましたが、それぐらいアメリカでは一般的な飲み方なのです。

そして、こんな飲み方が始まったきっかけとしては「透明ビンに入ったコロナが太陽光で劣化して、雑味が出たのをごまかすため」なんて説を見かけますが、犬助の文章をここまで読んでいただいたあなたならば、その説はアヤシイと気がつくはず。

メキシコ人は透明ビンのコロナだけでなく、色つきのビンに入っている他のビールにも、ことごとくライムを添えるもの。メキシコ料理にもよくライム果汁を用いますから、単にライム好きなのではないでしょうか。
そんな飲み方がアメリカに入って、落とし込むようになったのではないか?だって、そっちの方が飲みやすいもんね。

コロナ、ボヘミア、クラフトビア……。
考えてみれば国産のものしかなかった昭和のころから、ずいぶん日本のビール事情も変化したもの。それだけ多様なビールを楽しめるようになったからには、ついでに背景にあるものも楽しめれば、味わいもより深くなるものですね。

この記事の作者

アントニオ犬助
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みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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