ミック・ジャガーが世界に広めた、女殺しのカクテル

  • 2016/07/15
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メキシコへのツアーでテキーラサンライズに呑まれた

全世界に数千種あるといわれるカクテル。その中には、著名人によって飲まれ、それがきっかけで世界的に広まっていったものもあります。テキーラサンライズがそうです。
これを広めたのは、ローリング・ストーンズのミック・ジャガー。1972年、ストーンズがコンサートツアーでメキシコを訪れたとき、ミックはたまたま町のバーでこの酒に出合いました。一口で気に入った彼は、飲むこと、飲むこと。ツアー中は暇さえあればバーに入りびたりで、テキーラサンライズ三昧だったといいます。
そうして、この話がメディアで大きく取り上げられ、メキシコ以外ではあまり飲まれていない地味なカクテルだったテキーラサンライズが、カクテルの代表格にのしあがっていったのです。

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Featureflash Photo Agency / Shutterstock.com

 

 

イーグルスもハリウッド映画も、一役買った

話は、これだけでは終わりません。その翌年、1973年には、ミック・ジャガーのあとに続けとばかり、イーグルスがその名も「テキーラサンライズ」という曲を録音。これがヒットして、テキーラサンライズは、メキシコ国境に近いカリフォルニア中で人気を集めるカクテルになりました。
さらに、その15年後の1988年には、メル・ギブスン主演のサスペンス映画『テキーラサンライズ』がこれまた大ヒット。テキーラサンライズは、こうして押しも押されぬバーの看板メニューになったのです。
音楽や映画でこれだけモテモテになったカクテル、ほかにないですよね。

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Gimas / Shutterstock.com

 

 

テキーラベースの飲みやすいカクテル

それでは、そのテキーラサンライズ、どんなカクテルかというと、その名のとおりベースは竜舌蘭から作られたメキシコの蒸留酒、テキーラです。テキーラはスカッとしたキレのいい酒ですが、わずかな苦みがあります。オレンジジュースを加えることによってその苦みを抑え、飲みやすく仕立てるのがテキーラサンライズ。仕上げには、ザクロの果汁と砂糖からできたノンアルコールの赤いシロップ、グレナデンシロップを使います。
口当たりがよくて飲みやすいカクテルですが、ベースがテキーラですから、アルコール度数は12〜14度と高め。ウォッカベースのスクリュードライバーと並んで、レディーキラー(女殺し)カクテルだなんて呼ばれます。

 

 

シェーキング不要だから、つくるのは簡単

レディーキラー目的ならバーへ連れだって行ってオーダーするといいですが、そうでないなら、家で静かに楽しむのがおすすめ。シェーキング不要のカクテルですから、作り方もごくシンプルです。
①氷を入れたワイン・グラスにテキーラ30ml、オレンジ・ジュース60mlをいれて、ステアする(かき混ぜる)。
②グレナデンシロップをバースプーンにあてて、グラスの内側をつたって底に沈ませる。
③オレンジのスライス(+サクランボも)を飾る。

ちなみに、テキーラサンライズという名の由来は、オレンジを朝焼けの空、グラスの底に沈んだグレナデン・シロップを太陽に見立てたことから。オレンジジュースではなくレモンジュースを使うこともありますが、こちらは「テキーラ・サンセット」と呼ばれます。

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