スーツのオーダーをする時の「いき」な3つのポイントとは?
- 2016/11/23
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「スーツをオーダーする」という行為は大人の男性だからこその嗜みの一つ、と言えるでしょう。これだけ身近にある服で、オーダーできるお店が多く存在しているというのは、スーツの他には無いはずです。
だからこそ、男性として1度はテーラー(オーダースーツを作るお店のこと)でのオーダーをして見たい!と思うはずです。たとえ、いつもスーツを着る必要がなくとも、だし、スーツという服を着るのがあまり好きではなくても、「テーラーで自分の服をオーダーする」という行為自体には、興味があったりするものです。
今回はそんなオーダーの世界で、自分らしい服をオーダーする際のちょっとしたコツやポイントをお届けしようと思います。
いきなりの「コツやポイント」ですから、つまりはオーダーを既に経験した男性向けの内容も含まれます。ただ、「これがオーダーの楽しみなんだな」という部分を知っていただく事で、未経験者や初心者であっても、オーダーの魅力をより知っていただける様になるはずです。ぜひ、一度このオーダーの世界の奥深さや楽しさを知っていただければと思います。
◇オーダーは「客からの一方的な要求」では成り立たない
「オーダー」という行為をイメージする時、服のディテール全てが自分の思う通りになる服だと思う方がいるかもしれませんが、それは違うのです。これは、よく考えてみればすぐに分かります。
そもそも、服のプロでもない客が、全体像をイメージするしかない状況の中で、ディテールを順番に指定していって、格好良い服のオーダーができるはずがない、と思いませんか?
服というのはディテール、つまり細部が全体における印象のバランスを大きく左右します。特にスーツはかなり造りこまれた装いなので、一部を変える事で、全体のバランスを整えるために、それ以外のディテールもそれに合わせて微妙に変化させる必要さえあるのです。こういったファッションとしてのバランス感覚や知識なしに、闇雲にディテールの指示を出していっては、格好良いオーダーができるはずもありません。
つまり、どうするのが良いのかといえば「どうなりたいか」という自分のイメージの部分を正しく伝える、というのが、オーダーの際のより良いお願いの仕方ということになります。
・今度パーティーがあるから、フォーマル感は残しつつ、ちょっと遊んだ感じも加えたい
・仕事で、大事な商談の時に使いたいから、信頼感を印象付けられる様な服にしたい
・デートの時に着たいから、誠実さをアピールできるジャケットが欲しい
こんな感じです。要望はこれくらいにしておいて、デザインの細かい部分はテーラーの判断に任せるというのが、スマートなオーダーというものです。実は、このオーダー方法は、良いテーラーを見分ける上でも役に立ちます。一部、安価でコーディネート力のないオーダースーツ店もありますが、そういうお店ではそもそも、こういったオーダーを受けられません。
とにかくオーダーの際に、客側が選択できるディテールの選択肢を順番に、ひたすら客に選ばせる。というだけの受注をするところがあります。出来上がったデザインに関しては、格好良くなろうが悪くなろうが「それはお客様がお決めになったことですから」と言わんばかりのオーダーの受け方になっている訳です。
こういうお店は、安さを売りにしているところがあるので、仕方ないと割り切る必要がある部分もあります。「ちょっと気分をいたくらいでイメージ通りの服が出来てくるサービスなんて料金に含まれてない」という風に考えることもできますからね。ですから、まずはこのオーダーシステム自体に気を付けておくと、どんなオーダーができるかを、大まかに捉えることができるのです。
◇自分と相性の良い店主を見つける
前述の通り、良いテーラーでのオーダーは、自分のイメージを伝えることです。なので、この自分のイメージを、より自分と同じイメージで共有できる人の方が良いのは、当然のことですね。つまり、テーラー選びというのは、自分のことをよりよく理解してくれる人を選ぶ事でもあるのです。
それに、自分のイメージを伝えるのですから、話しやすくなくてはやりにくいですよね。自分にとって話しやすくて、自分のイメージを分かち合ってくれる人を探すのが、テーラーを探すということに直結します。これは、なるべく初めの段階からやっておいた方が良いのです。なぜなら、テーラーを一度決めたら、なるべくなら浮気はしない方が良いからです。
自分のイメージを共有してもらうという部分も、共有できているからこそ、その次のオーダー以降も、「じゃあ次はこういうの」という流れも把握してもらえるので、より具体的なイメージの共有ができる様になっていくからです。さらには、実際の服のサイズや形にも影響します。オーダーですから、直立不動の身体の形に合わせるのは当たり前のことなのですが、人は直立不動のまま、1日を過ごすわけではありません。
仕事や毎日の習慣によって、人の身体の動かし方は千差万別です。この日々の行動のクセも、スーツのサイズや形に反映させることで、より着やすい服になっていくのです。こういう部分まで対応していくのがオーダーの醍醐味の1つです。これは、何度かオーダーを重ねることで、精度が上がっていくものですから、テーラーを渡り歩いて浮気ばかりしていては、その精度も高めようがないという訳なのです。
◇イメージの可能性は、広く自由に持っておく
テーラーといえば、オーダーでスーツを作るお店というイメージが一般的です。ですから、スーツだけしかできないというイメージに囚われてしまい過ぎては、勿体ないのです。テーラーにもよりますが、スーツ以外でも、その延長線上にある形の服なら、できるものがあるのです。
例えば、私がオーダーするのは、夏の日に穿くショートパンツや、カジュアル用のシャツ、そして、カジュアル用のコートやベストです。もちろん、ジャケットやパンツを単体でオーダーできますし、お店によってはネクタイや革小物、靴などのオーダーまで受けているところがあります。1つ馴染みのテーラーを持っておけば、ビジネスからカジュアルまで、かなり広範囲の装いを網羅することができるものです。
つまり、自分だけの服を色んなシーンで使えることができるはずなんです。これって、とても楽しいことですよね。だからこそテーラーでは「スーツをつくるもの」というイメージはあまり強く持っていると、勿体ないのです。私は、馴染みのテーラーでオーダーするものの中で、スーツが一番少ないですからね。おそらく、単品でのベストが一番多い気がします。あとはジャケットやパンツ、シャツなどですね。
こんな風に、テーラーというのは実は、大人の男性の着こなしに合った色んな服を見つけられる場所でもあるのです。だからこそ、スーツというイメージに固執せず、柔軟なイメージでテーラーと向き合うと、より自然に、自分らしいオーダーができる様になるでしょう。
以上、大きく3つのポイントをお届けしました。
裏技の様な話もありましたが、その分、未経験の方にはテーラーというところのイメージができたのではないかと思います。まずは1度、シャツ1枚からでもオーダーしてみることをオススメします。きっと、「自分の服をつくる愉しさ」を感じられると思います。
そして、オーダー経験者の方は、改めて今回の内容を振り返ってみて欲しいと思います。「オーダーとは?」という部分を改めて考えるきっかけになると思います。
もっと、テーラーが男性にとって身近な存在になると、お洒落な男性がたくさん増えるのだろうなと思います。ぜひ、オーダーを愉しんで欲しいと思います!