18世紀、ヨーロッパ上流階級の男たちはボディコンだった
- 2016/07/29
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いまや昔、ボディコンの黄金時代
「ボディコン」と聞くと、何を思い浮かべますか。普通は、1980〜90年代に大流行した女性ファッションでしょうね。
1981年のミラノ・コレクションでアズディン・アライアというデザイナーが発表した、体にピチピチくねくねのドレス・スタイル。ボディ・コンシャススタイル、略してボディコン。1990年代前半には東京・芝浦のディスコ、ジュリアナ東京にボディコン・レディがわんさかと集まって、男の目を楽しませてくれましたっけ。
ボディコンの始まりは、実は男のファッションだった
ところが、このボディコン、歴史をさかのぼると、その始まりは実は男のスタイルだったのです。
まずは18世紀初頭。ヨーロッパの上流階級の男たちの間で、キュロットと呼ばれる半ズボンを外出着として着ることが流行りました。半ズボンですから、膝から下はむきだし。男たちは、むきだしになった部分に女の目を引きつけ、脚線美を誇ったのです。脚線美とは、当時は男のための言葉であり、美意識でした。
コルセットまでつけて、お洒落に奮闘した男たち
18世紀も後半となると、これがさらに進みます。
脚線美だけでは物足りなくなった男たちは、ボディ・ラインに注目。コルセットをつけて、腰回りをぎゅっと締めはじめたのです。この流行は19世紀まで続き、洒落者たちは時にはコルセットがきつすぎて気絶するなどという痛い目にあいながらも、女をおびき寄せる努力を続けたのです。
消えた男のボディコンは、いまどこにある?
やがて19世紀になると、ゆったりした上着のフロックコートやモーニング、燕尾服が登場。さらに、20世紀には英国型のスーツが現れて男のボディコンはあとかたもなく消えていくわけですが、それでは完全にゼロかというとそうでもありません。
現代でいえば、レザーファッションがそれでしょう。レザーは、いうまでもなく動物の皮。レザーを着ることは皮膚の上に皮膚を重ねることになるわけで、かつて“薔薇族”と呼ばれたあちらの世界の人たちの間では、レザーファッションこそが最もセクシーな男の衣服としていまも愛好されています。
ことに、脚にぴったりのレザーパンツなどは、着る人が着れば、失神もののアイテムなのだとか。
ビジネスマン諸兄には縁のない世界でしょうが、ダンスがこの上なく好きという人なら、ディスコへ繰り出す際、レザーパンツで人目を引くのもよろしいのではないか、と。