いま話題!?軍艦が行動する際の国際的な常識~旗を揚げろ
- 2019/01/30
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軍艦は国そのもの
およそ地球上に存在するある程度の規模を持つ国には軍隊があります。人口などの絶対数が少なすぎて軍を組織できない場合はともかく、国防は国家国民の存立の第一義的に必要なものと認識されているためです。
その心としては、外的からの防衛によって国を守るという国もあれば、それに加えて国内の反対勢力を鎮圧するために、警察力ではなく軍事力を使うことで国を守るという国もあります。後者は先進的な民主主義国家の場合、法律に定めがある程度で実際には想定されていないものです。
日本は軍隊を持たないという建前になっていますが、自衛隊が軍隊ではないと思っている国民がどれだけいるかは?です。
ただし、自衛隊が軍隊であるといってしまうと憲法違反になってしまうため、解釈改憲によって軍隊ではないといっているのが実情といえます。そもそも、外国の部隊や海賊に対して名乗るとき、先日のレーダー照射事件でも公開されたように「Japan Navy」と自称します。つまり、こちらは日本海軍であるといっているわけです。日本国海上自衛隊ではなく。
もっとも、これは「自衛隊」といっても相手が理解できないためという背景もあります。いずれにしても、自衛隊も国際社会においては軍隊として扱われますし、軍隊としての行動を求められます。国内法で縛られた自衛隊と国際社会の常識の乖離が、海外派遣における「なんで日本軍はこれができないのか?」という話にもつながったわけです。
さて、あちこちで日本のP-1哨戒機やP-3C哨戒機による威嚇によって脅威を感じたので謝罪しろ!といっている韓国ですが、「広開土大王」駆逐艦は日本のEEZ排他的経済水域で何かをやっていました。船舶というアイテムは、他国の領海内であっても航行が可能です。いわゆる無害通航権で、軍艦についても概ね適用されています。
ただし、軍艦が行動する場合は一定のルールを守ることが求められています。軍艦はその国そのものであり、国籍を表示する国旗または軍艦旗を掲揚するのは当然です。潜水艦の場合は浮上して国旗または軍艦旗を掲揚します。
敵対的な行動や不審な動きはダメ
軍艦はどこであっても相手国に対して敵対的な行動や不審な動きをすることは厳に慎むべきことです。公海上であっても紛争の元ですし、他国のEEZや領海ならなおさらです。
今回のレーダー照射は正に敵対的な行動ですが、そもそもそこでやっていたこと自体が不審な動きでした。北朝鮮の船と何をやっていたのか。救助などという話に信憑性がないことはすでに各種メディアで取り上げられたとおりです。
そこでポイントとなるのが、「広開土大王」は韓国の軍艦であることを表示していなかった疑いです。映像には韓国の国旗も海軍旗も何も掲揚していなかったと見られているのです。軍艦が他国のEEZ内で国籍を示さずに行動している。これは重大な問題です。国籍を表示するとまずいことがあったとしか考えようがありません。
だからこそレーダー照射したと推論すれば、辻褄があってしまいます。これが日本のEEZではなく、もっとコワモテの国のEEZだったらと考えると、おそろしい話です。何しろ、正規軍としての表示をしていない不審な武装艦船でしかないわけで、軍艦としての扱いを期待する方がおかしいとなります。呼びかけに応えないなどもあり得ないことでしょう。
ただ、今回の事件ではこの旗の掲揚についてはほとんど問題視されていないようです。それ以上に大きな問題が生じているためでしょうか。
人の振り見て我が振りなおせという言葉がありますが、軍艦であれ自衛艦であれ、きちんと正しく行動する必要があります。もちろん、そうやっているわけですが、これからも他国に指摘されることがないようにしてもらいましょう。