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競い合う社会から、等身大の幸せに感謝?韓国のトレンド小確幸(ソファクヘン)って?

  • 2018/12/12
  • ビジネス
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  • 沖倉 毅
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20年以上就職難が続く韓国。
物価は高等し経済格差も広がるばかりのこの国のトレンドは『小確幸(ソファクヘン)』だ。

遠くの野心や出世よりも、身近な幸せや当たり前の事に感謝しようと思う様になった韓国人の20~40代の心境の変化は、どの様なものだろうか?

 

小確幸(ソファクヘン)って?

小確幸(ソファクヘン)って?
小確幸という言葉は、村上春樹のエッセイ『うずまき猫のみつけかた』の中盤に出てくる造語だ。

『うずまき猫~』は村上氏が、ボストン滞在中に思っていた事を、つらつらと書いたエッセイで、奥さんの写真と、安西水丸氏のイラストが付けられたもの。

その中で、こんな一文がある。

生活の中に、個人的な『小さいけれど確かな幸福(小確幸)を見出す為には、多かれ少なかれ我慢すべき事もあるだろうし、小確幸のない人生なんて、砂漠みたいなもの。』

これを韓国の人々は『我慢している=日々苦労する事が多く報われない自分』と思い、『小確幸』は、『頑張った自分へのご褒美に日々の生活を豊かにする』と解釈しているのだ。

日本でも就職氷河期のアラフォーの男女を中心に『Always~三丁目の夕陽~』がヒットしたが、あの感覚に近いかもしれない。

時代の流れが逆行する感覚で、アグレッシブに生きるのに疲れた韓国の20~40代が内向きになった事で、市場にも変化が訪れているのだ、それはどんな事だろうか。

 

日常の中に、自分へのご褒美を取り入れる

韓国の若者が『小確幸』と呼ぶのは、様々な事だ。

普段構ってあげられないペットと遊ぶ、寝不足だと思ったら半日寝ている、お気に入りのカフェで本を読む、いつも行かないデリカに行って、ちょっと高めのワインを買うなど、日々の生活に心身共々『贅沢』や『余裕』をもたらす事が『小確幸』と呼ばれている。

極端な話、スタバでシーズナルスペシャリティを頼むという、日本の女子高生みたいな事も、韓国の20代~40前の人にしてみれば『小確幸』になっているのだ、もっともそれで訪日されて何時間も長居されると困るのだが。

小確幸という生き方が広まったのは、彼、彼女らの間に『親と違う生き方をしたい』という考えが広がったからだ。

少し前まで、韓国では、名門大学に入り、大企業に入り、結婚し、ソウル市内のタワマンに住み、ブランド品とイケアの家具に囲まれて生活するのがステイタスと言われていた。

だがそんな生活が出来るのが『ごく一部』の人間だけという現実にぶちあたった。
毎年海外旅行に行き、ユニバやディズニーランドの様なアトラクションに頻繁に行けるのも、一握りの人間だけ。

韓国の今の親は『頑張って将来の為に働いて貯金すれば何とかなる』と高度経済成長期の日本の親の様な事を娘、息子たちに言ってきたが、それも限界が来てしまった。

今の韓国人は、サンポセデ(3放世代)と呼ばれ、恋愛、結婚、出産を諦めろと言われている。となると、残るのは自分の幸せだけになってしまう。

そうして昨年韓国内で広まった略語が『YOLO』だ。
YOLOとは、You Only Live Once。
人生は一度きり、今の自分の幸せを一番に考えようという意味だ。

デパートや、バラエティストアでは、『小確幸コーナー』が設けられ、家でおひとり様で楽しむ為の、小さいサイズのワイン食材セットから、靴、洋服に至るまで、小確幸は、新たな国内商戦として、取り込まれている。

韓国の感謝祭は、陰暦8月15日で、今年は9月24日だった。
この国では、感謝祭に親族に贈り物をする風習があるのだが、以前は果物やビールなど『いかにもご贈答品』が贈り物商品として売れていたのに対し、小確幸がトレンドとなってからは『家族で楽しめる消えもの』として、ワインと上等のチーズなどの組み合わせが売れたというのだ。

小確幸に伴う消費を後押しするのが、韓国の労働基準法が変わった事だ。
今年から週52時間と労働制限時間が出来た事と、残業を原則禁止する法案が可決され、『おひとり様へのご褒美』が加速したともいえる。

海外旅行やアトラクションで遊んだり、パリピ三昧の日々を送るよりも、美しい花をいけて、おいしいコーヒーを家で飲む事を選び始めた韓国人の若者たち。

彼、彼女らが身の丈に合う生活を選び始めたとすれば、日本の同世代は、ある意味遅れているのではないだろうか。

 

この記事の作者

沖倉 毅
沖倉 毅
ビジネスと国際関連をメインに執筆しています沖倉です。 転職経験と語学力を生かし、語学教師とフリーライターをしています。 趣味は定期的に記録会に出る水泳、3000本以上お蔵入り字幕なしも観た映画、ガラクタも集める時計、万年筆、車、ガーデニング、筋トレです。 どうすれば永遠の男前になれるかをテーマに、取材は匿名を条件に記事執筆に勤しみます。
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