日本も無関係ではない!欧米の移民問題をおさらい
- 2018/12/01
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移民とは何か?
このところ話題になっている移民問題ですが、欧米における移民問題を横目に見つつ、日本ではあのような状況にはならないとする見解があります。欧米と日本で何が違うのかを考えるとき、まずは移民とは何か?その定義を確認することが必要です。
移民を簡単に説明すれば、単純に異国へ移住することや移住した人々を指します。また、移住者のうち、一定期間住んでいる他国生まれの人を移民と呼ぶこともあります。
この定義を採用した場合、日本も外国も同じだといわざるを得ないでしょう。しかし、日本では移民問題は起こらないという。なぜか?
「移民とは永住権を持って入ってくる人のことである」
さすが!
ではありませんね。外国から日本に移住していても、永住権を持っていない人は移民ではないという前提です。つまり、何十万人やってこようと、日本には移民なんてほとんどいないこととなるため、移民問題は起こりようがないという実に好都合な話になっています。
ただ、憲法も解釈改憲できるといわれる国です。それほど驚く話ではありませんね。
また、ある特定の国からやってきた人の犯罪率が高いといえば、「差別だ!」と騒がれる世界中でも珍しい国家といわれるニッポンとしては、移民問題とか移民政策とかいいたくないのかもしれません。
政策には移民に不都合なものも含まれるでしょうし、排外主義的だとして非難される可能性も想像できます。まったく論点がおかしいのですが、外国人の不利益になることはすべて駄目といわんばかりの”声”が大きいという事実もあります。
ただし、一方では、移民反対を唱える層に対して「移民なんていませんよ」というための方便とも見えるでしょう。同じ事象も見る人の立ち位置などで意味が変わるよい例かも。
ともあれ、すでに日本は世界有数の移民国家になっているという指摘もあります。
欧米の移民問題をチェック
さて、移民大国ニッポンがこの先、さらなる移民国家になっていくとすれば、どのような事態が想定されるのか?
欧米の例をチェックしておきましょう。
・宗教や文化・習慣の違いからくる諸問題
移民国家になっているといわれていても、現状ではいわゆる「日本人」が大勢を占める日本ではイメージしにくいのが宗教などの違いからくるトラブルです。
日本人の場合は、葬式のときは仏教で、年末にはクリスマスパーティーを行い、正月は神社へ初詣というのが珍しくないパターン。しかし、他国では宗教の違いは大きいものがあります。移民が増加すれば、日本でも日常生活と密接につながるさまざまな宗教の信者が増えることは間違いないでしょう。
・テロ問題
一部の過激な組織やそれに共鳴する人たちが、移民にまぎれて入国し、テロを起こすことが問題視されています。
・暴動
移民の定着がうまくいかないと、不満を持った移民の中には暴動を起こす人が生まれます。パリの暴動など、急速な治安の悪化は移民問題でも重要な点です。また、街のスラム化が懸念されます。不法移民による治安悪化の問題もあります。
・雇用問題
外国人労働者の受け入れはまさに移民問題と直結している話ですが、欧米では移民によって自国民の雇用が奪われたとの認識が強くなっています。これが自国民と移民との関係悪化の一因です。
また、移民の側も雇用を失うことがあるため、お互いに得にならないとの指摘もあります。イギリスのように移民の失業対策などの福祉に予算が大きく割かれたり、それを目当てに移民が増えたりといったことも問題です。
・地価の高騰
移民により人口が増加することで、住む場所の問題が生まれます。不動産価値が上がり、賃料が高騰、空き部屋がないといった不具合が生じるのです。
移民トラブルといっても、大きな事件を連想すると思い当たらないかもしれません。しかし、ご近所トラブルのレベルで見れば、すでに日本でもある話です。ご近所で仲良くやっていこうにも、規模が拡大して別社会になってしまっては無理があります。
移民国家として進むことの是非を論ずるところではありませんが、進むのであれば、オヤジとしても政策(あればですが)の善し悪しを真剣に考える必要があります。