核実験中止表明に沸き立つ間もない深刻な現状
- 2018/04/26
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核実験中止を喜べないとする見方が主流
北朝鮮が核実験とICBMの開発を中止すると発表したことで、2018年4月20日が歴史的な日になったかのような大騒ぎが一瞬だけ見られたようです。あの北朝鮮が、ミサイル開発、核開発を突き進めてきた北朝鮮が、ついに態度を変えた!と思ったのでしょう。ある意味では無理もないことです。
しかし、その慶祝ムードもアッサリと引っ込んでしまいました。その一方で、いまでも喜ばしいことだと考えている人もいるようです。その考えが正しいことを願うところですが、どうでしょうか。
では、なぜ数日のうちに慶祝ムードが吹っ飛んだのか?主要な見解を確認しておきましょう。
・北朝鮮の話を信じる時期は過ぎた
いまさら北朝鮮が何を言ったところで、素直に信用することはできないという見解が浸透しています。今回も本気かどうか疑わしいというものです。
・対外的な話とは無関係に中止する流れだった
日米韓や中国などとの関係で中止することにしたわけではなく、国際社会で良好な位置にいたとしても中止する流れだったという見解があります。つまり、続行するには物理的な条件が揃わないから中止した。たとえば、設備の損傷や物資の不測などで、それを、あたかも譲歩しているように利用したのだと見る意見です。
・そもそも実験不要の段階になった
これまで何かと引っ張ってきた結果、ついに実験が不要の段階に到達した。つまり、完成したので実験する必要がなくなったとする見方も有力です。実際に、北朝鮮は目標達成を理由としてあげています。これを、国内向けのものと考えるか、事実と捉えるかの違いはあるでしょう。
しかし、考えてみれば、昨年の時点で、核や長距離弾道ミサイル完成まで数ヶ月から半年程度とする観測が少なくありませんでした。そして、オリンピック休戦で一気に完成へ向かうのではないかともいわれていたものです。それが現実のものになったのだとすれば、恐ろしい話ではあります。
もっとも、ICBM長距離弾道ミサイルについては完成した様子がないため、アメリカ本土には届かない核だけが完成したのだろうといわれています。
一方そのころトランプさんは
さて、今回の北朝鮮の表明を受けて、最大のキーマンであるアメリカ合衆国大統領のトランプさんの反応はどうか?と思ったところ、至って冷静というか、特に変わった様子は見られません。
得意のツイッターでも、一応は好意的に評しながらも、時間が経ってみないとわからないという趣旨の発言をしており、北朝鮮が何を発表したとしても、あくまでも中身の確認が重要であり、いちいち早計な判断をしないことを強調したともとれます。
タイミング的には米朝首脳会談の前であり、日米首脳会談の開催時期だということもあるでしょう。気を緩めていないということです。トランプさんの言葉に「結論はほど遠い」というものがあるとのことで、これこそが長年にわたって続いてきた光景であり、下手をするとこの先もずっと「ほど遠い」ままかもしれません。
また、一部には、北朝鮮の軟化ともとれる事態に、トランプさんがなにか譲歩したのではないかとも懸念があるようです。これについても、トランプさんは何も譲歩していないと述べています。つまり、あくまでも成り行きを見守っている状態であることを意味しています。
一時はアメリカによる先制攻撃も間近かといわれていたことを考えれば、緊張が緩んでいる半島情勢です。しかし、こんなときが一番アブナイともいわれており、予断を許しません。
実際に北朝鮮の核は実用レベルで完成しているのか、ここが一番の関心時ですが、答えがわかるのはいつのことでしょうか。ちょっとしたニュースにも注意を払っておく必要がありそうです。