若者に大人気のポートランドが、ホームレスの巣窟になってるらしい
- 2017/12/03
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オヤジの息子世代、もしくは甥っ子姪っ子世代の人気ナンバー1の留学先と言えば、ポートランド。
20代の若手社員に、コジャレた海外留学先の話題を振られても
「今一番人気なのは、ポートランドだよね。治安もいいし、自転車通勤できるし、ブルーボトルもあるし。」
…とオヤジたちは、嫌味にならない程度にサラリと若者に話を合わす事が出来た。
しかし、今ここはホームレスまみれで、大変なことになっているらしい。
「え~そんな事なかったですよ~。」という女子社員が居たら、そいつは永遠の25歳を吹聴しながら、実は三十路かもしれない。
ポートランドのホームレス問題は、ここ5年以内に薄々と浮上し、3年で爆発した問題なのだから。
観光と留学先にお勧めと言われた米国のオススメ都市が、陥落した理由とは何なのか。
ポートランドってどんな都市
ポートランドは、米カリフォルニア州とワシントン州の間にあるオレゴン州最大の港町。
日本で言えば、地下鉄東西線・木場と昔の南葛西に、京都市と淀屋橋を、あべこべに混ぜた感のある街だ。
街全体が自然公園と融合していて、交通機関もあるが、サイクリングロードが充実しており、筆者が行った時も、平坦な道をロードバイクで回る事が出来る街だ。
自転車通勤が京都市並に定着している街で、通勤する人はロードバイクもしくは自転車の人が多い。
消費税がゼロなので、生活必需品を手に入れるのに困らず、企業を誘致しやすいのか、『NIKE』をはじめとした、企業が本社を置いている事でも知られている。
年に3回エキスポセンターで開催される米国最大のアンティークショーは、宝の山だ。
業者も多く買い付けに来る所を見ると人気の高さが判る。
日本では、ブルーボトルコーヒーや、スタンプタウン・コーヒーをはじめとした、コーヒーの美味しい街として、知られているポートランドだが、公民権運動が始まる前からそれなりの闇は抱えていた。
フリーメイソンが根付き、サイエントロジー教会が市のど真ん中にあるこの都市。
観光目的に来た人は、それほど不思議に思わないかもしれないが、いざ住んでみたら、おや、と思うだろう。
過去に黒人を徹底的に排除した歴史のあるこの都市、ホームレスの殆どが白人なのだ。
問題を抱えているポートランドの市長さんは、どういう政策をとったのか。
住居を与えたら暴動に
ポートランド市長テッド・ウィーラーは、ホームレス対策として、彼らに仮住居斡旋を行ったが、実際に、
仮住居に応じたのは数少なく、ホームレスの殆どは橋のほとりで寝ているか、酷い場合だと、通りでテントを張り、寝ているらしい。
由緒正しき家の門の前にも、ホームレスが毛布にくるまって、うじゃうじゃしている有様なのだ。
昔からここで商売をしている人は、『ここに住んでいた人がホームレスになった。』と嘆いている。
トランプに投票したからといって、米国の貧しい白人の生活が変わるのかといえば、全く変わらない縮図だ。
元々雨が多い気候で、鬱病になる人も多い事から、’12年にマリファナが州で合法化され、
ホームレスの間で蔓延している事や尊厳死が合法化された事も拍車をかけてしまった。
ここ数年で深刻化しているのが、ビジネスの撤退や質の低下だ。
あれだけ日本で有名になったコーヒー店も店側の努力にも関わらず、大幅に質が低下。
オレゴンを本拠地に置く店も、ホームレスの万引きや脅しに遭い、店を続けるかどうか悩んでいるという。
ポートランドのブティック『Ann Bocci』では、ホームレスの万引きに遭い、あわや殺されかけたというのだ。
幸い、オーナーのアンさんは、ポートランドで店を構えて長い為、すぐに住民が駆けつけてくれたが、他の店の中には、既にポートランドから撤退した所もあるという。
市のド真ん中にある、サイエントロジーもネックになっていて、ポートランドから引っ越すのを機にサイエントロジーから脱退した会員が、
脱会後も教会に教材費の引き落としに遭った為、教会を告訴した。
こんな事件が起こっては市民の気持ちも離れていくだろう。
離れていく市民
もはやポートランドは、米国の理想郷ではない。
米国の政府に依存しない独立系調査会社DHMによると、34%のポートランド市民が、引っ越したいというのだ。
理由はホームレスが多すぎる上、身の危険を普段から感じているから。
市民の57%は市長のホームレスに対する対策に不満を感じ、再選を望んでいないという結果まで出ている。
ホームレスになったのが、地元の人という事で、彼、彼女らはホームレスの人々に哀れみは感じるし、同情もする。
だが彼らに殺されるかもしれないと考えると話しかける事も出来ないと答えた人が実に市民の7割なのだ。
海外では華々しく評価されているポートランドの地場産業だが、ここ5年来の地盤沈下は著しく、住民の5割は、
地場産業に不満で、4割の人々はサービスに不満を持っているのだから、米国の理想郷は、あっという間に、崩れたといっても過言ではない。