嵐の前の静けさといっていられない米朝関係の観測
- 2017/10/20
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動きなしの米朝は水面下で丁々発止のやりとりか
2017年10月は、北朝鮮の新たなる弾道ミサイル発射や水爆実験が予想され、それが引き金となって最悪の事態を招くのではないかとの観測が多く流れています。しかし、予測された日を過ぎ、月も下旬に入るという時期を向かえた19日現在で、北朝鮮は目立った動きをしていません。米韓合同軍事演習は予定通り実施されていますが、韓国が北朝鮮に発射準備の徴候があると報道していることを除けば、嵐の前の静けさといった感があります。
とはいえ、アメリカ軍はいつでも実戦に入れるように展開しているとされ、緊張は最高に近いレベルで高まっている状態です。アメリカの高官からは開戦間近を思わせる発言が出ており、ティラーソン国務長官の「最初の爆弾投下までは外交努力をする」旨の発言は、北朝鮮への強烈過ぎるメッセージです。文言としては当たり前のことですが、観測筋では、わざわざ最初の爆弾という言葉を使ったことに意味があると考えられています。
この発言を解釈すれば、現在も水面下では激烈な外交交渉が行われているのではないかと思わせます。通常であれば、そうするのが常套であり、日米においても真珠湾攻撃の直前まで交渉が行われていました。ただ、当事国のトップがトランプ大統領と金委員長であることから、通例どおりの解釈はできないとする考えも少なくありません。
北朝鮮の動向はいかに
いよいよアメリカが本気になっているといわれるなか、北朝鮮がどこまでやる気なのかが気になるところです。先般の金委員長の発言に「史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮する」とありました。この強硬な前段の文言を「慎重に考慮する」というソフトな文言で受けている点から、北朝鮮が先に撃つことはないだろうとする専門家は少なくありません。また、そもそも撃ってしまえばおしまいであり、撃つはずがないともいわれています。
しかし、10月は何かと行事が立て込んでいることもあり、まだまだ予断を許しません。米韓合同軍事演習の実施を受けて、北朝鮮は態度を硬化させているともいわれています。ただ、目下のところ18日から24日まで行われる中国共産党大会の真っ只中であるため、静寂が続いているとも考えられます。これが終わったあたりから心配の種が復活するかもしれません。その間には、22日の衆議院議員総選挙もあります。
日本のオヤジにとって不幸なことは、これがアメリカと北朝鮮の二国間問題となっていることです。一朝有事となれば、在日米軍基地への攻撃・後方支援問題・難民問題・短中距離ミサイルでの首都圏をはじめとする本土攻撃など無関係では済まされない日本でありながら、どうすることもできないのが事実となっています。
しかし、できることをやるしかないわけで、自衛グッズや避難準備、サバイバル体制の構築などをやっておくことも考えないといけません。そんなものは無駄に終わったという結果が望ましいことはいうまでもないですが、他人、特に他国がやることは自分が願うだけではどうにもなりません。