苦手な人こそ時間をかける!根回しで企画や会議をブラッシュアップするコツ
- 2018/05/05
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会議やイベントの前に、根回しを行うと言うと、聞こえが悪い。
反対意見を抑え込む為に接待を繰り返したり、手ごわそうな相手に前もってお土産を持って行く姿が、浮かぶからだろう。
意外かもしれないが、根回しという言葉は欧米にもあるという。
日本とは、違った意味でつかわれる欧米の根回し、どう違うのだろうか。
企画を知ってもらい、理解して貰い、賛同して貰う
根回しが必要な企画もしくは状況とは、どの様なものだろうか。
斬新な企画を、いきなり会議で提案しても通らない、だから根回しが必要となる。
根回しの目的は、企画の内容を知ってもらい、理解して貰った上で、賛同して貰う事だ。
根回しが下手くそな人は、自分の意見を言う事で精一杯、オコチャマなのである。
根回しの際に、キーマンと思える有力者と、味方についてくれそうな弱そうな人にだけ愛想をふりまいたり、連絡を取り合ったり、苦手だと思う人には挨拶もせず、いきなり『ああして欲しい、こうして欲しい』と要求を言うか、最初から『居なかった事にする』のが、日本人の根回しだろう。
和をもって尊しとするというのは表向き、反対派を無理でも抑え込み、形だけのシャンシャン会議を開いたり、賛同派だけで物事を勧めてきた日本の弊害そのものだ。
この様な根回しをやっている限り、日本の企業は、いつまでたっても生まれ変わらない。
正直、趣味のサークルでも、同じ事をやっているのが日本人なのだから、どれだけ小さいのかと思う。
では、企画や会議を意義あるものにし、ブラッシュアップする根回しと、これら『小さい根回し』と、どう違うのか。
苦手と思う人にこそ念入りにアプローチをかけよ
根回しのプロは、傾聴8割、説得2割を、どんな相手に対しても貫く事が出来る。
これは、根回しする相手の情報取集にどれだけ時間をかけ、客観的に分析しているかという事だ。
情報収集に値しないと判断した途端、目の前に居る人間と話もしないばかりか背もむける不遜な輩がいるが、これは根回しも出来なければ、人の話も聞けませんという看板を下げている事になる。
意外かもしれないが、苦手と思う相手に対し、無心になって傾聴8割、説得2割を貫ける様にならなければいけない。
これは鼻先で『フンフン』と適当にあしらったり、『そうですね』とうなずいている事を意味しない。
苦手な相手程、この手の小手先の『ご機嫌取りテクニック』は全てお見通しなのだから。
根回しに苦労する相手や、常に反対意見を持ち続ける人に、アプローチしておくと、いい事がある。
普段耳障りがいい事ばかり囁く人や、賛成でも反対でもない立場を貫く人が背を向けた時に味方してくれるからだ。
特定の目的や趣味という利害だけで繋がっている人の絆は案外脆く、何かの拍子に背を向けられてしまう。
この事を念頭に置いて、苦手な人こそ、普段からきちんと接しておくことが大事だ。
ただし、苦手な人の地雷は絶対踏まない様にすることが大事だ。
そうでないと貴方が窮地においやられた時に、見向きもしてくれなくなるだろう。
欧米では、企画が通らなかった場合『理由』について考える
欧米では、根回しの段階で、反対意見を抑え込まない。
帰国子女で自意識が悪い意味で高い人は、根回しをしろというと、自分に味方してくれそうな人やキーマンを嗅ぎまわり、猛烈にアプローチをかけているケースが多い。
苦手な相手を、無視して排除する事も当たり前だ。
幼稚園児でもあるまいし、趣味や人生観が合う人でないと、お話ししたくありませんという看板を下げて歩く人は、社会人とは言えない上、根回しや交渉のプロとは言えないだろう。
欧米では、事前に根回しをしていたとしても、必ず反対意見が出る。
ただし、反対意見が出た事を、向こうの人々は、企画がよりブラッシュアップされる機会が出来たと喜ぶのだ。
議論を尽くした結果『やはり、この企画は通せない』と判明したのであれば、きっぱりと諦める。
どのみち、その様な企画は、実行に移したとしても、社外から反対の声があがり、責任を追及されるのは、企画を通そうとした賛同派だからだ。
いかがだろうか。
根回しの本来の意味は、企画、イベントの趣旨を理解して貰い、賛同を得る事である。
苦手な相手にこそ時間をかける必要があるわけで、苦手な相手を最初から公私共々省こうとする日本人は、交渉という面においては、アマチュアなのだ。