カメラメーカーの苦しみは株価にも表れている
- 2017/02/17
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ニコン、新商品発売中止の衝撃
一部カメラファンの間で待ち望まれていた、ニコンのコンデジ新製品が「開発途中での不具合発生」「利益が出る見通し立たず」という衝撃の理由で発売中止に追い込まれた。
先行予約も粛々と進んでいた矢先の中止発表だっただけに、カメラファンだけでなく、投資家の間にも「ニコン、大丈夫か」の声があがっている。
案の定というべきか、続けざまに
▼17年3月期決算で純損益60億の赤字
▼希望退職に予想以上の1143名応募
のニュースも飛び込んできており、もはや単なるカメラ騒動では収まらない雰囲気さえ漂わせているのである。
株価で見るカメラ各社の姿
これまでカメラで名をはせたメーカーの株価は、いまどのあたりを動いているのだろうか。
ニコン PER(ー)赤字 PBR1.26倍
キヤノン PER21倍 PBR1.29倍
リコー PER73倍 PBR0.69倍
とまあ、お世辞にも褒められた水準ではない。
キヤノンの安定味は群を抜いているが、それでもカメラメーカーのPER21倍は決して割安とは言えないし、赤字を出さないしぶとさで知られるリコーも、株価が解散価値以下のPBR1倍以下に沈んでいるのは本意ではないだろう。
対して、カメラも作ってますけど、他でも稼いでいますよというメーカーもある。
オリンパス PER17.4倍 PBR3.2倍 →医療用機器が主力
パナソニック PER22.5倍 PBR1.6倍 →クルマ、電池に強み
ソニー PER172倍 PBR1.83倍 →VR、保険、銀行などのコングロマリット
前出3社とはPBRに大きな違いがある。
経営再建中のソニーでさえPBRは1.8倍になり、カメラに重きをおく企業とは投資家の見方も異なっているようだ。
成長株と捉えられないもどかしさ
カメラが苦しい3社は株価の動きも緩慢だ。
例▼キヤノン(7751)
2016年の株価は2800円から3400円のボックスゾーンにへばりついたまま。上下2割程度の動きに終始
キヤノンの株価を検索すると「キヤノン 株価 上がらない」のキーワードがトップ候補になるから驚き!
配当高い(4.5%)ことで有名だが、ホールドする株主の希望はもはやそれのみか?
いっぽう、
例▼パナソニック(6752)
2016年株価は、900円から1300円にジャンプアップ
右肩上がり、4割越える上昇
配当はやっと2%程度にもかかわらず
たしかに株式投資は、企業の一部を買うものである。
だが株価が動かないことには、投資家は行動できない。
つまり、下げなければ買い増しできないし、上がらなければ利益にならない。
配当5%を魅力に感じる日はいつ訪れる?
PBR1倍割れでも買わないか?
応援株主の模索は続く。