海外では億単位の罰金刑!ロボコールの実態に迫る

  • 2018/02/07
  • ビジネス
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日本で有名な金銭詐欺は『オレオレ詐欺』だが、海を渡った向こうでは頼んでもいない商品のセールスや保険勧誘の電話が毎食後に鳴る。

海外では億単位の罰金刑!ロボコールの実態に迫る
これらは、自動音声電話(ロボコール)と呼ばれ、機械が録音したメッセージを一定の時間に一斉に発信しているのだ。
日本にも、じわじと浸透し生活を脅かしつつある。

 

ケーブルTVは客の奪い合い

無料でTVが見れるから、NHKの受信料は払いたくないとダダをこねる日本と他の先進国とは訳が違う。
他の国は、どのチャンネルも金を払わないとTVを見る事は出来ない。

見て貰う為に、コンテンツに工夫を凝らすのは当たり前。
視聴率が稼げない番組は、一部のマニアやファンから絶大な支持を得ていても即行打ち切り。
ある程度色んな客層に支持される刺激あるコンテンツ作りが求められる。

それ以上に求められるのが番組や局がいかに魅力的で契約するに値するかを宣伝する事だ。ただしこれも行き過ぎると害になる。

’17年にワーナー傘下のケーブルTV『タイム・ワーナー・ケーブル』が料金未納の顧客を間違え、借金取り立ての様に153回もロボコールをかけて訴訟沙汰となった。

顧客の女性は、一回目の電話がかかってきた時点で『人違いです』と担当者に説明したが、全く聞き入れられず、その後、150回以上ものロボコールを受け裁判に至った。
この件が深刻となったのが、裁判後もタイム・ワーナーは、74回も顧客の女性にロボコールを行っている事である。
情報管理の甘さが命取りとなり、タイム・ワーナーは顧客女性に、230万ドル(2800万円)の慰謝料を支払う羽目になった。

ケーブルTVは客の奪い合い

’09年に、米・連邦取引委員会(FTC)はロボコールに関する規定を改正し、書面による承諾なくしてロボコールを行う事を企業、法人、NGO、政治団体に禁じている。
法改正後に起こった訴訟問題に、ケーブルTV各局は『あすは我が身』と震え上がった。

が、その一方で、日本でもお馴染み『テレビショッピング』のCMはというと、これは合法なのだという。

U.S.Telecomの副社長ケヴィン・ルピー氏によると、無造作に広告を流しまくるロボコールと違い、テレビショッピングのCMは、『ニールセン』を見て、広告ターゲットを分析し、必要とされるアイテムを絞り込むという、20年以上前の広告代理店のやり方が取られている。

ロボコールが内容云々に関わらず消費者を烈火のごとく怒らせるのに対し、テレビショッピングが高額なダイソンの掃除機から青汁まで、おかしな時間帯に売れるわけがない。

人間に例えるならば、ロボコールは、自分の事ばかり話してモテると勘違いする男性であり、テレビショッピングは、お腹が空いている時に欲しいものを出してくれる定食屋という事になる。

 

日本の消費者は守られている

日本の場合『特定商法』により、電話勧誘の際に、商品の販売を目的としているのであれば、その事を消費者に告知しなければいけないという法律がある。

この告知義務のお陰で、企業がロボコールを行う事を免れていると言っても過言ではない。
だが相手が詐欺集団なり犯罪者であれば、話は別だ。

’17年6月に、米フロリダ・マイアミ在住のエイドリアン・アブラモビッチという男は、営業目的のロボコールを使い、9600万件の電話をかけ、偽の旅行商品を売り込んで逮捕された。

米・連邦通信協会(FCC)は、罰金1億2000万ドル(134億円)を化したが、ロボコールの罰金刑では、おそらく過去最高額になるだろうと言われている。

ロボコールは立派な人権侵害

日本ではどうだか知らないが、米国では勧誘電話は度を過ぎると、プライバシーの侵害及び、取引侵害と見なされ、高額の罰金刑が処せられるのだ。

受信の3~4割がロボコールで占められる米国民としては、ロボコールは立派な人権侵害だ。
米国では、企業や法人、政治団体、NGOが執拗かつ悪質なロボコールを行った場合、その電話番号でセールスや勧誘不可能にする『Do Not Callリスト』がある。

元祖ロボコール対策アプリ、YoumailのCEOによると、Do Not Callリストの電話番号は年々増え、米国民が昨年受信したロボコールが24億9000万件に及ぶ事も発表。
Do Not Callリスト以外からのロボコールの方が明らかに多い事も判明した。

Do Not Callリスト以外からのロボコールの方が明らかに多い事も判明

FTCもこの事態を傍観しているわけではない。
数年前から、ロボコール遮断アプリ開発のコンペ『Robocall Challenge』を開催し、
優勝者と法人部門で優秀な成績を収めた会社に賞金を出している。
’13年のコンペで優勝し『Nomorobo』を開発したアーロン・フォスは『世界一ロボコールを憎む男』と自称しているが、
彼もまた家の電話の3割以上がロボコールだった事に怒りを覚えて開発に乗り出した1人だった。

 

ロボコールを受け取らない為には

そこでロボコールを受け取らない為には、どうすればいいだろうか。日本で考えられる対策をいくつか挙げてみた。

1:電話番号を登録しておき、非通知をブロック
2:迷惑電話アプリをダウンロードする
3:大切な要件は、なるべくメール。留守電は『留守電を文字化』するアプリを使い消去。

ロボコールを受け取らない為には

などの対策が有効である。
余分な電話を受け取らないだけでも、防ぐ事は出来るはずである。

 

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