悪品のイメージは時代遅れ?日本メーカーをとっくに抜いた海外家電メーカー
- 2018/01/22
- ビジネス
- 567view
- 政治/経済
- メーカー
- 国内
- 日本
- 暮らし
- 海外
- 経済
メイドインジャパンの時代は過去の話か
オヤジ世代が若かった頃、まだまだメイドインジャパンは高品質の代名詞でした。ジャパンアズナンバーワンというフレーズに象徴された日本企業が世界を席巻した時代が懐かしく思われるオヤジは少なくないでしょう。特に、家電メーカーの勢いは本当に凄かったというべきものです。
しかし、高度経済成長期を終えて、続いてやってきたバブル経済を経て、いま置かれている状況を見れば、老舗の国内家電メーカーが相次いで経営難に見舞われており、一部の事業を海外企業に売り渡すだけにとどまらず、本体そのものまで海外資本に飲み込まれてしまう有様です。
それと同時に、海外ブランドの商品が大量に日本国内市場で流通する時代を迎えています。安かろう悪かろうの外国製品から、低価格高品質の海外ブランドへ変貌をとげたのでしょうか?
たしかに、いつまでもメイドインジャパンの後塵を拝するだけの海外家電メーカーではありません。しかし、そこには隠れメイドインジャパンともいうべき品物も少なくありません。つまり、たしかにブランドは海外のものではあるが、中身は日本由来というアレです。
まず、日本国内の工場を中国へ移転していったときから話は始まります。家電メーカーそのものの工場が一気に中国へ移転したわけではありません。しかし、周辺の産業の工場も含めて中国へ移転することで、中国への技術流出が起こりました。また、中国では技術や資本を取り込むのが目的で日本企業を誘致し、頃合を見計らってポイ捨てされたなどという話もよく聞かれます。
いずれにしても、日本の各種企業の工場が中国を中心とした海外へ進出したことが、日本企業のクビを絞める一因になったことは想像に難くない話です。そこで作られたものは、メイドイン海外ではあるものの、中身は日本製品のクローン的なものであるケースも少なくないでしょう。
また、100円ショップに並ぶ、これが100円かと思うような高品質の品物も、日本企業が海外企業の実力を育てているようなものともいえるでしょう。家電も含めて、すべてがこんな調子ともいえます。
グローバル化のせいでもある
また、ともすれば海外へ目を向けろ!内需だけではパイが限られている!ということで、先端技術の海外流出も懸念されるところです。実際、多くの技術が「製品」として輸出されたりもしています。
さらに、高品質な製品を製造する上で欠かせない工作機械までが流出すると、メイドインジャパンの高品質と同じものが出来上がるのにハードルは高くないでしょう。日本と同等の製造環境が整ったうえに人件費が安ければ、日本のメーカーを追い越すことも難儀ではなくなります。
日本の家電メーカーが没落とさえいえる状況にあるのは、こうした出来事によるところが大きいと考えられます。もちろん、国際競争力をいうときに、一番に持ち出される「人件費」の問題はあります。しかし、下げられない人件費の話をしても意味がありません。ここに手を突っ込むことは、イコール犯罪企業・ブラックの温床となります。
また、技術や製品の輸出を止めようとしても、国際社会が簡単には許してくれない面があります。
さらに、日本の事情とは無関係に開発・販売・サービスを頑張ってきた海外メーカーの成長もあります。そう考えると、日本のメーカーには、厳しい状況でどこまで耐えられるかという話しか残っていないようにも思えてきます。
いずれにしても、海外の家電メーカーは、世界市場で見た場合、日本の家電メーカーを追い抜いた部分が少なくないでしょう。日本でも至るところでお目にかかれるハイアールなど、ブランドにこだわらない人が増えれば増えるほど、その状況は広がりをみせるかもしれません。
そこで、日本側としては戦い方を変える戦略が求められ、実際に試行錯誤が行われてもいます。がんばれ!国内家電メーカーといったところです。結論としては、とっくに日本のメーカーを追い抜いた海外家電メーカーではあるものの、戦いは終わってはいないということです。