夏場の足ムレ対策!臭う足をにわせない【薬剤師アドバイス】
- 2019/08/30
- ボディメイク
- 430view
- 体臭/汗
- 体臭
- 悩み
- 汗
- 生活習慣
- 薬剤師
- 靴
靴を脱ぐとぷーんと漂ってくる足の臭い。靴を脱いだ瞬間に顔をしかめられてしまうのも、なかなか気まずいものです。「ちゃんと洗っているつもりなのに、何で臭ってしまうの?!」そんな悩みを解決するために、今回は足が臭う原因から対策方法までご紹介していきます。
1.オヤジの足はなぜ臭う?!5つの理由
汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。とくに脇に多く存在し、臭いの元となりやすいのがアポクリン腺です。アポクリン腺は皮脂腺とつながっているので、臭いを発生しやすいんですね。意外なことに足の裏に存在しているのは臭いの出にくいエクリン腺です。
それなのになぜ、足は臭いやすいのでしょうか。臭いの原因はいくつか考えられます。複数の原因が絡み合って臭っている場合もあるでしょう。ここでは一般的な臭いの原因をご紹介します。自分に該当するものを見つけてみましょう。
1-1.汗をかきやすい
いきなり「足の裏からかく汗は臭いにくいんじゃないの?!」という声が聞こえてきそうですね。たしかに汗そのものにはほとんど臭いはありません。ここでポイントなのは足の裏は“汗をかきやすい”部位であることです。
足の裏は汗腺が多く集まっている部位で、他の部位と比べるとその数は10倍近くに及びます。目で見てもよくわかりませんが、足の裏がかく汗の量は1日でコップ1杯にもなるのです。
裸足やサンダルであれば汗は蒸発していきますが、靴下や靴を履いている状態だと汗で足が蒸れて、雑菌が繁殖しやすくなります。繁殖した雑菌が臭いの原因となってしまうのです。
1-2.角質がたまっている
足の裏が固くガサガサしている方は要注意。たまった角質も臭いの原因です。足の裏に存在している常在菌が角質を分解するときに、臭いが発生することがわかっています。
臭いの原因物質であるイソ吉草酸(きっそうさん)アルデヒドが発生してしまうのですね。ロート製薬の研究によると、このイソ吉草酸アルデヒドの量が多い方ほど足の臭いがキツイことがわかっています。
1-3.爪垢がたまっている
爪垢は見落としがちなので注意しましょう。汚れや皮脂、角質がたまった爪垢は自分で臭っても思わず眉間に力を入れてしまうほど、強烈な臭いを発していることがあります。
足の爪をまじまじと見る機会が日常であまりないことから、知らず知らずのうちに爪垢がたまっている方は多いものです。
1-4.蒸れやすい靴下や靴を履いている
汗をかきやすい足の裏ですが、すぐに汗が蒸発できる状況であればそこまで臭いは出ません。「汗×蒸れやすい」状況がキツイ臭いの大きな原因です。
通気性の悪い靴下や靴が汗の蒸発を妨げて、雑菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。革靴を履いていると臭いやすいのは、まさに「汗×蒸れやすい」という、最悪の状況を作っているからなのです。
1-5.緊張やストレス
緊張すると汗の量がぐっと増える経験は誰しも一度はあるでしょう。汗の量が増えれば臭いも出やすくなります。また緊張やストレスの影響で、“ストレス臭”が発生しまうことも原因です。
資生堂の研究によってストレスがかかった体からは「STチオジメタン」と呼ばれる臭いの原因物質が産生されることがわかっています。
2.病気が潜んでいる可能性も?こんな足の悩みがあったら病院へ
ここからは臭いと病気の関係についてお話をしていきます。汗や通気性の悪さ以外に、疾患が原因で臭っていることもあるのです。該当するものがある場合は、ぜひ早めに医療機関を受診しましょう。
2-1.皮がむけたり爪が白くなったりしている
他に小さな水ぶくれができたり、皮がふやけたようになったりしている場合も注意。このような症状がある場合は水虫の可能性があります。患部がジュクジュクしたり、逆に乾燥してガサガサになってしまうこともあるでしょう。
水虫とひとくちに言っても、感染しているすべての方に臭いが発生するわけではありません。とくに気をつけたいのは患部がジュクジュクしている方です。ジュクジュクしている部分は雑菌が繁殖して臭いが発生しやすいのです。
2-2.素足で歩けないほど足の裏に汗をかく
裸足で歩くとすべってこけそうになる、足の裏から汗が滴り落ちてくる、見てわかるくらい汗をかいている。このような症状がある場合は、多汗症の可能性があります。多汗症とは気温に関係なく多量の汗をかいてしまう病気です。
常に汗をかいている状態になるため足の皮がむけてしまうこともあります。汗の量が多ければ蒸れるリスクも高まるため、臭いを発しやすい状態になってしまうのです。
2-3.全身の臭いが気になる
もしも全身から汗の臭いとは違う、気になる臭いが出ている場合は、糖尿病の可能性もあります。糖尿病になるとうまく糖分を分解できなくなるため、エネルギーが不足しやすくなります。
不足したエネルギーを脂質の代謝から補おうとする際に発生するケトン体が独特の体臭を作り出してしまうのです。すぐに喉が渇く、トイレが近いなどの症状が出たら注意しましょう。
3.足の臭いを対策しよう!簡単にできる対処方法
足の臭いは対策することでかなり軽減させることができます。今からできる対策方法をご紹介しますので、臭いが気になる方はぜひ、今日から対策を始めましょう。
3-1.制汗剤を使用する
かいた汗が蒸発しきれず、雑菌が繁殖して臭いが発生します。この一連の流れを制汗剤で止めてしまいましょう。汗を抑える成分と、殺菌成分の両方が入っている制汗剤がおすすめです。
汗腺にフタをして汗を抑えてくれる成分にはミョウバンやアルミニウム、殺菌成分にはイソプロピルチルフェノールなどがあります。クリームタイプの制汗剤の方が足の隅々まで成分がしっかり届き、肌との密着力も高いのでおすすめです。
3-2.通気性がよく消臭効果のある靴下を選ぶ
1日中、足を靴下で包み込み、さらに上から靴で覆っている足が臭ってしまうのは、もはや当然のことです。臭いを抑えるためにはいかに汗を靴の外へ放出できるかが鍵となります。靴下や靴の機能が臭いに直結していると言っても大げさではありません。
靴下はできるだけウール素材のものを選びましょう。ウールにはもともと消臭効果があり、蒸れにくいのが特徴です。ビジネス用の革靴にも通気性を改善したものがありますのでそちらを活用しましょう。毎日同じ靴を履かずに日替わりで変える、消臭スプレーを使用するといった対策も有効です。
3-3.足を洗うときにブラシを使う習慣をつける
爪垢は少量でも強い臭いを発します。お風呂で体を洗うときに、足用のブラシで洗う習慣をつけましょう。とくに親指の爪は垢がたまりやすいので念入りに洗ってください。爪垢がたまりにくいように、爪を伸ばしすぎないことも大切です。
3-4.角質ケアをする
雑菌の繁殖を防ぐために、ツルツルのかかとを目指しましょう。軽石やスクラブ、専用の石鹸で角質を取り除きます。電動の角質リムーバーを使用してもいいですね。角質ケアをしたに保湿クリームを使えば、ツルツルのかかとになれますよ。
3-5.水虫は薬でしっかり治療
水虫の薬は病院に行かなくても同等のものがドラッグストアやネットショップで買えます。ブテナフィンやテルビナフィンなど、お薬の名前の語尾が「~フィン」で終わるものがとくに治療効果の高い成分です。お風呂上がりの清潔な足に伸ばして使います。
症状が出ていない部位でも白癬菌は潜んでいますので、症状が出ていところも含めて足全体に塗るのがコツです。白癬菌は皮膚の奥深くにも潜んでいるため、しっかり殺菌するために、症状が途中で落ち着いてきても1か月は続けて使用しましょう。爪水虫の場合は市販薬では対応が難しいので病院の受診をおすすめします。
3-6.多汗症は病院を受診
多汗症の場合、制汗剤を使っても汗を抑えることは難しいです。多汗症かな?と思ったら病院を受診しましょう。飲み薬を使ったり、イオントフォレーシスといって微弱な電流を流す方法を使ったりして症状を抑えていきます。
4.まとめ
足の臭いは雑菌が繁殖することで起こります。雑菌を繁殖させないために汗を抑えたり、通気性のよい靴下や靴を利用することが大切です。
もしも水虫がある場合は恥ずかしがらずに早めに治療しましょう。治療を始めれば1~2週間ほどで症状も臭いも落ち着いてくるはずです。足の臭いは対策によって抑えられますので、ご自分の臭いの原因に合わせて対処していきましょう。