メイウェザーVS天心の勝負はオヤジから見てどう見えたか!
- 2019/01/19
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正直、真剣に観る価値はないと思っていました
私、アントニオ犬助の大晦日は「紅白歌合戦」をメインで眺めながら、片目で「RIZIN」をチラ見するというもの。正直、真剣にRIZINを観ようとは思っていなかった。
なぜなら犬助は「どうせメイウェザーは、まともなファイトをしないであろう」とタカをくくっていたから。3分間3ラウンドのエキシビジョン、双方、適当に打ち合うふりをしつつ、9分間をやり過ごすのだろうと思っていたのです。
そして始まったメインイベントの「那須川×メイウェザー」戦、フタを開けてみると、メイウェザー選手の1ラウンド、2分19秒でTKO勝ち。
「マジで勝っちゃうんだ」予想を大きく裏切るどんでん返しぶりに、犬助は大いに驚きました。そしてRIZIN側の意図が全くわからなくなったのです。
これでは一方的な大損、RIZINの意図がわからない
なぜ、打ち合う「ふりをするだけ」と犬助が予想していたかというと、RIZINが手に入れたかったのは、メイウェザー選手をリングに上げたという実績と、那須川選手がメイウェザー選手と引き分けた実績の2つだと思っていたから。
世界中のボクシング・格闘技好きに対してRIZINの認知度を高めることができますし、那須川選手もメイウェザー選手もノーリスク、引き分け、立派なものじゃないですか。「エキシビジョンだから」という言い訳も成り立ちます。
しかし、RIZINが得たのはKOされたエースファイターと、カンバンに付いた消し去りがたいキズ、これではRIZINは10億円もの大金を支払って大損をしただけということになります。
高まったのは、メイウェザー選手の商品価値のみ
一方で得をしたのは誰かというと、これは言うまでもなくメイウェザー選手。
那須川選手はボクシングが本職ではないとか、4kg以上の体重差があったとか、色々なことを差し引いたとしても圧倒的な強さを見せることができた。全盛期ほどではないとはいえ、パンチ、ディフェンス共に超一流、現役を引退したとはいえ、まだまだやれると感じさせてくれたのです。
加えて上がったといえば、メイウェザー選手のヒールとしてのイメージ。
試合をやるのかやらないのかヤキモキさせる、試合の2日前まで来日しない、女の子をはべらせたベッドで記念撮影をする、身体もシェイプされていない、試合前にアップもしなければ、マウスピースも口にしない……多くの人が「メイウェザー、なめるな」と思っていたでしょうし、那須川選手が一撃でも食らわせてくれることを望んでいたはずなのです。
しかし、リングに上がるとRIZIN側は全く期待(予期)していなかった(であろう)、一方的なTKO勝ち。実に鮮やかなヒールっぷり、衰えない実力。メイウェザーの商品価値はまだまだ高いことをアピールしたのです。
メイウェザー選手に対して条件の良いオファーは、当分の間、絶えることはないでしょう。
エンターテイメントに必要なのは意外性である
以上「那須川×メイウェザー」、犬助にとっては、メイウェザー選手のプロフェッショナルぶりばかり印象に残った一戦となったのです。一方で注目していきたいのは、これからのRIZINについて。
来年もまた、那須川×メイウェザー戦をマッチメイクできるのならば、今回の「損」も取り返すことができるでしょう。
しかし、またメイウェザー選手がリングに上がってくれるかは不透明でしょうし、そうなったとしても、今回の10億円どころではないギャラを要求してくることは必至、まあ、ムリでしょう。そして、そこまでやって取れた視聴率が7%ではフジテレビも面白くはなかったはず。今後の中継はどうなるのか?これは、注目ポイントでしょう。
そして……これと同じぐらい驚かされる出来事は、年始にも起こりました。それは「箱根駅伝」青山学院大学、往路で6位という失速ぶり。
犬助は、昨年末の「YAZIUP!」で「今回の箱根駅伝の見所は、青学の他を寄せ付けないほどの強さである」とまで書いてしまったのです。にもかかわらず……こちらも大いに反省しております。
でも2つのイベントについて、久々に大きく予想を裏切られて楽しかったのも事実。やっぱりエンターテイメントに期待したいのは意外性、その意味で、大いに楽しませてもらった年末・年始だったのです。