卓球の愛ちゃんが引退!日本の選手層の厚さはいつから?
- 2018/11/07
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アラサーの皆様にとっては、卓球=愛ちゃんである
「ダサいたま」「えびふりゃー」……これらは、タモリ氏が考案したとされる言葉。
1980年代の彼は現在のキャラクターからは考えられないぐらい、アグレッシブな芸風が売り、手当たり次第、噛み付いていた印象があるのです。
そんな彼の発言で、私、アントニオ犬助が忘れられないものといえば「卓球はネクラ」というもの。そして、そのイメージが未だに抜け切らないという人たちも、犬助と同世代の方々には多いはずなのです。
しかし犬助たちより世代が下になると、卓球に対するイメージは大きく異なるもの。
特に現在、30歳前後の方々にとっては「卓球=天才卓球少女、愛ちゃん」。先日引退を発表した、福原愛さんのイメージのほうがずっと強いのです。
福原さんが何かするたびに、競技人口が1万人ずつ増加
そんな福原さんは、卓球人気の牽引役として4歳のころから働き続けてきました。
どの程度、貢献していたのか?日本卓球協会のホームページにある、競技人口の推移の資料を見てみると、その大きさは明らか。
宮城県大会優勝、テレビ初出演となった平成5年、プロ宣言をおこなった平成11年、高校へ進学しアテネオリンピックに出場した平成16年……彼女が大きな話題となるたびに、競技人口が1万人前後増えているのです。
まあ、その間に映画「ピンポン」が大ヒットしたりするなどもありましたから、現在の卓球人気すべてが福原さんのお陰というつもりは全くありませんが、その大きな部分を担っていたのが彼女であったことに異論を唱える人はいないでしょう。
選手層が分厚くなったのは、平成21年ごろか?
彼女が生まれた昭和63年には20万人強だった卓球の競技人口が、30万人を突破したのが平成21年。
前年の北京オリンピックに出場した福原さんは、歴代最年少で日本選手団の旗手を務めたもの。以来、卓球の競技人口は一度も30万人を割ることなく順調に増加、平成28年の資料には33万3,000人超と記録されているのです。
この競技人口は同年のサッカーの93万8,000人弱から見ると、まだまだ少ない印象ですが、バドミントンや陸上より上位。
そんな33万人という厚い選手層の中から、男子なら水谷隼選手、張本智和選手、丹羽孝希選手など。女子なら石川佳純選手、伊藤美誠選手、平野美宇選手など、男女を問わずスタープレーヤーが続々誕生しています。
また、日本卓球界の近年の実績も目覚しいもの。
ロンドン・オリンピックの女子団体では、福原さんを含めた3人が銀メダルに輝きましたし、リオデジャネイロ・オリンピックでは水谷選手が個人では初のメダルを獲得したのは記憶に新しいところ。これも選手層が厚くなったからこそですね。
プレイしたことがあるという人口は、何と900万人
競技人口でも33万人という卓球ですが、これを単にプレイしたことがあるという実施人口まで広げてみると、その数字はさらに巨大となり実に900万人。ランキングではウォーキングやボウリング、水泳、ゴルフに続く第6位で、サッカーや野球を上回ってきますから、これはもう国民的スポーツです。
犬助が通うスポーツセンターでも、老若男女がいつも卓球台の周りを囲んでプレイに熱を上げている。ある程度年齢を重ねても、自分たちのレベルでプレイできるという卓球の競技としての裾野の広さが、卓球人気を下支えしているのでしょう。
加えて、プロのクラブチームや実業団が参加する「Tリーグ」も10月に開催。日本だけでなく、海外からも有力選手が参加して盛り上がりを見せようとしていますが、注目すべきはTリーグに参加するチームは、6歳以下のジュニア育成チームを作ることが義務付けられていること。トップアスリートの華麗なプレイで観客をひきつける一方で、競技人口の更なる増加、選手層の厚みの強化を狙っている点でしょう。
……そういえば冒頭で紹介した「卓球はネクラ」という発言。タモリ氏はこれを反省(?)してか、後日、日本卓球協会に1,000万円という寄付をおこなったといいます。タモリ氏も、現在の卓球人気に一役買っていたということですね。