野球で起きた真剣勝負の悲劇、「セレモニー・クラッシュ」

  • 2018/09/30
  • ライフスタイル・娯楽
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  • アントニオ犬助
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2,000本安打の祝福ムードを破壊した一撃

2,000本安打の祝福ムードを破壊した一撃

「幕張の安打製造所」こと、千葉ロッテ・マリーンズの福浦和也選手が9月22日、2,000本安打を記録しました。42歳での達成は、元・中日ドラゴンズの和田一浩氏に次ぐ第2位の高齢記録とのこと。
確実性そしてパンチ力、福浦選手は2001年に首位打者を獲得したほどの好打者です。しかし意外に遠かったのが2,000本への道。故障や後輩たちの追い上げに苦しみながら成し遂げた偉業に、ご本人はもちろんファンの方々の胸にも迫るものがあったことでしょう。
記録が達成された、千葉マリンスタジアムは祝福ムードに包まれました。

そして3対2とマリーンズ、1点のリードで迎えた9回表2アウト。
あと1アウトで祝福ムードのまま、勝ちゲームにも酔える。そんなマリーンズファンを奈落の底に叩き落としたのが、埼玉西武ライオンズの山川穂積選手。逆転3ランホームランをレフトスタンドに打ち込んだのです。

この時マウンドに上がっていた内投手、そして祝福ムードに浸っていたファンの人たちの心に何が去来したのか、察するにはあまりも重過ぎるのですが、山川選手の一撃に真剣勝負の恐ろしさを見たのも事実。
双方全力で戦っているだけに起こった悲劇といえるでしょう。

 

「田中、ジーターのセレモニーをぶち壊す」

「田中、ジーターのセレモニーをぶち壊す」

2017年の5月、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手は自己ワースト、1回2/3で8失点、被本塁打4本というひどい投球をしてしまいました。そして、この投球がもっと最悪だったのは、ヤンキースが誇る元・主将、デレク・ジーター氏の永久欠番認定式典の後だったということ。
お祝いのムード覚めやらないマウンドに上がった田中投手は、これでもか!! というぐらいに打ち込まれてしまい大ブーイングを食らう。お祝いムードを完全に破壊してしまったのです。

「田中、ジーターのセレモニーをぶち壊す」
こんな見出しで罵ったのは、試合の翌日のニューヨークタイムズ紙。気持ちはわからないでもありません。

ただ面白いのはニューヨークタイムズ紙は、ただこき下ろすだけではないという点。
好投したならば 「極上のマサ『HERO』」とか 「マウンド上のビースト」、 「タナカ、エースの血筋であることをニューヨークに思い出させる」 といった具合に、これ以上にないぐらい持ち上げる。まあ、忙しいことですな。

そんな田中投手はアメリカ・デビュー以来、5年連続して12勝以上を達成。
たまに、セレモニーを壊すほどの大崩れすることはあるといっても、メジャーリーグでも記録に残るほどの大投手であることは間違いありません。

 

矢野氏のセレモニーがホームランでウヤムヤに

そして阪神ファンの私、アントニオ犬助にとって忘れがたいものといえば、矢野燿大・阪神タイガース2軍監督の引退セレモニー。
2003年、2005年のリーグ優勝に大きく貢献し、ベストナインやゴールデングラブにも複数回輝く矢野氏は、2010年の甲子園での最終戦、代打で最後の打席に立つことが予定されていました。

阪神がリードしていた9回表、このまま何もなければ矢野氏、最後の守備機会が用意されるはずだったのです。しかし、当時横浜ベイスターズに所属していた村田修一選手の3ランホームランによる逆転劇が、矢野氏のセレモニームードを吹っ飛ばしてしまった。
試合に勝たなくてはなりませんから、最後のキャッチャーマスク姿どころではなくなってしまったのですね。

 

最終登板でホームランを浴びたのは佐々岡氏

最終登板でホームランを浴びたのは佐々岡氏

また、2007年10月16日に広島市民球場のマウンドに上がっていたのが、100勝100セーブという大記録を成し遂げたことでも知られる、佐々岡真司・広島東洋カープ2軍投手コーチ。9回の裏2アウト、10対1と大きくリードした場面、佐々岡氏のために用意された記念登板でした。

しかし、そんな場面でソロホームランを放ったのが、当時横浜ベイスターズに所属していた村田修一選手。この1本で村田選手は、2007年の本塁打王に輝くことになるのですが、後に「人生の中で一番つらいホームランだった」と語っています。
これもプロ野球が真剣勝負であるという証。
そして村田選手が強打者だった証、矢野氏と佐々岡氏、2回のセレモニーを吹っ飛ばすほどの、強打者だったのです。

そして、そんな村田選手も引退。
今シーズンからは独立リーグでプレイしていたとはいえ、一時代を築いた強打者。
9月28日に東京ドームでおこなわれる巨人・横浜の最終戦で、村田選手のためにセレモニーを予定していると報道されました。
寂しさを感じている一方で「ひょっとして、何か起こるのでは?」と、思っている犬助なのでした。

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アントニオ犬助
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みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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