中学校では必ずダンスをやらされるってどうなの?
- 2018/09/21
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ダンスの立ち位置は変わってきている
中学校の体育で5年くらい前からダンスが必修になったことを知っている中年は、中学生の子供がいるオヤジだけかもしれません。
そもそもダンスはスポーツなのか、甚だ疑問の余地があります。
オヤジが中学校の頃、やらされていたダンスと言えばフォークダンスしかありません。
それも運動会の始まるシーズンにでしかなかったものです。
もちろん必修ダンスにはフォークダンスも含まれていますが、創作ダンス、現代ダンスと馴染みの薄いダンスが気になるところでしょう。
2017年、登美ヶ丘高校ダンス部が一世を風靡したとまで言われるバブリーダンスはまさに、創作であり現代のダンスでもあります。
いかに興味のない人でも思わず拍手をしてしまうほどの一見に値する切れ味を披露していました。
この現代ダンスを意識しての必修化のその心を理解してみましょう。
芸術なのか体育なのか
ダンスは、音楽と並ぶ領域にあるように思われたものです。
すなわち芸術のジャンルに属していて、例えばバレエで白鳥の湖を踊るイメージがメインであったものです。
中学校で必修化されたダンスも創作ダンス、フォークダンス、現代ダンスの3種類があります。
創作ダンスは明らかに芸術でしょうし、フォークダンスにしても民俗風習を習うようなものです。
現代ダンスはアイドルチームの振り付けを教わるイメージでしょう。
かと言って、音楽でも美術でもありませんし、新しい教科にするほどの重さもありません。
体育に組み込まれるのは、既存教科に押し込んだ感じは否めないところです。
当事者たちの評判
・中学生の声
そこそこリズム感も運動神経もいい子には好評です。
学校も新しいことにチャレンジしてくれて、好感度も上がっているかのようではあります。
一方、より能力の個人差が現れる世界のようでダメな子はいじめのきっかけにもなりかねないと警戒しているようです。
・先生の声
そんな急にダンスを教えろって言われてもちゃんと教えられるはずもないし、それなりにするしかないけど、どのレベルでOKなのか、暗中模索するのは負担です。
特に男性や中高年の先生は、プライドも高く嫌がります。
テレビで見るような流行のリズムに乗ったダンスなどには、今更縁遠い存在でしか映らないものなのです。
・親の声
中学生くらいの親の年代としては、それほど抵抗は無いものです。
しかし、もっと年配者になると下品とも取られかねないヒップホップダンスなど、習得させるのは人間教育としての疑問さえ感じられてもおかしくはありません。
危なっかしい若者文化をなぜ国が率先して導入させるのかと言う声があるのも想像つきます。
文部科学省の思惑
・団体行動力の育成
文部科学省がポイントにしたのは、ダンスの中でも現代ダンスであることは疑う余地もありません。
既に子供に一定の普及度もある人気の習い事になっていますので、そこに狙いを付けたのでしょう。、
現代のヒップホップダンスは音楽にシンクロして数人の動きをピッタリ合わせてこそのダンスですので、我勝手に上手なダンスをしても意味がありません。
そこで学べるのは、人との協調性に尽きます。
そんなものは日本人の得意な分野だとされてきましたが、最近の個人の価値観が優先される社会では、薄れつつある価値観になりつつあるのです。
周囲の人に合わせる気配り、団体でできあがった作品を一緒になって喜ぶ姿は中学生時代に欲しいところなのです。
・苦手でもいい
中学生であれば、大人が思うほどダンスに抵抗のある子供は少ないものです。
運動神経も発達途中で吸収力もありますので、最初は苦手な子も教えていれば意外に上達もしてくれるのです。
どうしてもダンスについていけない苦手な子は、きっと学校に行くのも嫌になる可能性はあります。
しかし、それは例えばどうしても泳げない子が水泳をやらされているのと同じようなものです。
それも将来になれば、貴重な体験となっていくのです。
教える先生もしっかり急にしっかり教えられるはずもないくらいは承知の上であるはずです。
最初は何でもそんな状態でかまうこともありません。
新しいことをしてみようとする文部科学省の姿勢だけは、結果に関わらず評価に値するものでしょう。