おつかれさまドゥラメンテ かなわなかった夢と電撃引退後のささやかな心配
- 2016/07/01
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日本競馬界にとってこの損失は痛すぎる
宝塚記念ゴール後に左前脚を痛め、競走能力喪失と診断されたドゥラメンテ(牡4・堀厩舎)が、惜しまれつつ早すぎる引退となった。
ケガの直後は関係者も気を揉むほどの重症だったようだが、ひとまず種牡馬として再出発できる見込みが立ち、みなほっとしていることだろう。
秋には日本馬悲願の凱旋門賞挑戦プランもあったドゥラメンテ。その規格外の走りは二度と見られず、競馬界にとって大きな損失であることは間違いない。
競走馬としてもこれからだった
ドゥラメンテを語る上で欠かせないのが自身の「血統構成」だ。
父キングカメハメハ、母アドマイヤグルーヴ、母父サンデーサイレンス、母母エアグルーヴとこれぞ「ベストトゥベスト」まさに配合の見本として、出るべくして出た名馬である。
会見で堀調教師が「競走馬として完成するのはまだこれからだったのに」と語ったのは、母系からくる晩成傾向も考慮に入っていたからと思われる。
母アドマイヤグルーヴは同世代に3冠牝馬スティルインラブがいたため、クラシックはひとつも取れなかったが、秋になり距離伸びてライバルを逆転、エリザベス女王杯では古馬もまとめて退け、G1ホースとなった名牝である。
また母母エアグルーヴも3歳春まではひ弱さが抜けなかったが、古馬になり天皇賞秋を勝つなど男勝りの活躍を見せた。
今年だけでなく、また来年もドゥラメンテの凱旋門賞挑戦は相当楽しみだったと思われるが、今となってはもう世界最強を証明する術はない。
良血ゆえの悩みも
さてドゥラメンテには第二の大仕事が待っている。
ケガが癒えたら、来年からは種牡馬として生産地の期待に応えなければならない。
しかしここでもう一度彼の血統構成を見ると、ボンヤリとした不安がよぎる。
それは、あまりにも自身がベストな配合ゆえに、繁殖牝馬を選り好みする種牡馬にならないかという点だ。
父キンカメ、母父サンデーともに今の日本競馬界にあふれたスーパーサイアーで、有力繁殖牝馬につけようとするとどうしても濃いクロスの発生が気になる。かといってそれを回避していると、はたしてどれほどの牝馬が集まるだろうか。
参考までに、母母エアグルーヴの仔であり、今年産駒デビューする先輩ルーラーシップにも似たことが言えるが、こちらは血統内にサンデー系を含まないのがポイントで、まだ種付けはしやすい。
ドゥラメンテは競走馬として最高傑作の1頭ではあるが、それはあくまで競争馬として。歴史が語るように、種牡馬の血の淘汰作業は強烈だ。
これからはそんな完成品ゆえの運命とも戦っていくことになるのかもしれない。
おつかれさま、ドゥラメンテ。