平成の大合併で積み残した市名変更問題~丹波篠山市
- 2018/01/09
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篠山市が市名変更を検討
兵庫県の東部、南北でいえば中部付近にある篠山市が、市名を丹波篠山市に変更するかもしれないと報じられています。
丹波地方といえば、兵庫県民であっても地元周辺でなければわかりにくい状況があります。元々は、山間部の郡部であり、平成の大合併でまずは篠山市が誕生しました。その後、残った町が合併して丹波市が誕生しています。お隣の京都府には京丹波町という町が存在しており、この2市1町が丹波地方の自治体として考えられます。
そして、このほど、篠山市に匿名の寄付があったことが判明しました。その額はナント1億円で、市名を丹波篠山市に変更する費用にして欲しいとするもののようです。もともと、市の知名度アップによる活性化のために市名変更を考えていた篠山市では、1~2年のうちに市名変更を実現したい意向とのこと。
そもそも、篠山市のネーミング自体が広く全国に浸透しているとはいえず、兵庫県内ですら丹波市よりもマイナーな可能性があります。やはり、地方の名称を冠した丹波市のほうがメジャーなようで、篠山市サイドとしては、篠山市に来るべき人・物・金が丹波市に流れているとの思いが強くあるようです。
そんなことなら、先に合併して市制に移行した篠山市は、なぜ丹波市なり丹波篠山市なりを名乗らなかったのかとの疑問が沸きます。これについては、一市域で使用するには大きすぎる名称だとの意識があったようです。旧国名でもあるみんなの「丹波」を自分だけが使えないといったところです。ところが、あとで誕生した市が丹波市を名乗ってしまったことで状況が複雑化します。しかも、丹波市は公募した市名の第一位ではなかったのです。
第一位が氷上市、第二位が丹波市、第三位がひかみ市となっており、票数だけなら氷上市となるところです。しかも、第三位は第一位のひらがなバージョンであり、両方合わせれば氷上市しかないとさえいえそうな勢いです。ところが、決まったのは丹波氏であり、その理由は、旧町名を使えないからとのこと。いわゆる対等合併で旧町名を使うと、トラブルの元ということでしょうか。とはいえ、郡の名前が氷上郡だったのですが…。
なにかと苦労が絶えない合併市の名称
さて、篠山市の丹波篠山化については、市民にも賛否があります。丹波をつけることで、地域色がハッキリするためプラスが多いと考える人もいれば、すでに存在する丹波市との区別がつかなくなると懸念する人もいます。まさに、あのとき…という感じでしょうか。
同じ兵庫県内には似たような名称が存在する例があります。淡路島の淡路市と南あわじ市がそれです。こちらの場合は、間にかつては淡路島で唯一の市だった洲本市が存在しており、直接的に隣接しているわけではありません。また、特に問題が生じているわけでもなさそうです。
もちろん、篠山市の名称変更についても自治体間で問題が起きているわけではありません。しかし、何かと苦労が絶えないことは、この話でもよくわかります。最初のネーミングがいかに重要であるか、変更するとなると市民の意見が二分して対立するリスクを負うなどです。
また、現実的な面では費用の問題も生じます。篠山市のケースでは、名称変更にかかる経費が6500万円規模になるとのことです。それだけに、1億円の寄付を受けたことで一気に名称変更の機運が高まることは必然といえるでしょう。
オヤジレベルでは、同一地域に似たような名称の自治体が存在することは大きな問題とは考えられません。それよりも、まったく関係のない場所に類似の自治体名が存在することのほうがややこしくて厄介なことがあります。
たとえば、北広島市が北海道にあり、北広島町は広島県にあるなどです。広島県民や北海道民なら当然のことかもしれませんが、他の都府県民が混乱することも少なくありません。
自分の住む市名、変わる予定はありませんか?