マイホームという幻想

若いうちに家を買って、老後は年金暮らし。
そんな将来を夢見ていたけど、今では賃貸派というオヤジもいるはずです。
家を買えば、ご近所トラブル等があっても簡単には引っ越せませんし、住宅ローンという多額の借金を背負うことになります。
上手くいけば購入時より高く売れますが、一般的に家そのものの価値は下がる一方で、ローンを返済できずに破産する人も。
ローンを完済しても固定資産税が発生する他、住み続けていれば色んなところが傷んでくるので、ライフスタイルや収入、仕事の状況などによっては家を持たないほうが快適に暮らせると言えます。

そして、最近は物を持たないミニマムな暮らしに注目が集まっているのも手伝って、場所を選ばず働く「ノマドワーカー」や身軽な「ホテル暮らし」「車上生活」が話題になっています。
ローンにも家にも仕事にも縛られることなく自由に暮らしたい――。
そんな憧れを抱くのは、1日の大半を仕事に費やすのが当たり前な社会だからこそ。
今回は家を持たない暮らしに焦点を当てて、賃貸、ホテル暮らし、車上生活のメリットを挙げていきたいと思います。

賃貸のメリット

・ローンがない
・ライフスタイルに応じて住み替えられる
・収入が下がった時、家賃が安い物件に引っ越せる

日本においては、転職回数が多いのは悪いことであり、一つの会社に長く勤めることが美徳とされていますが、収入が安定しない非正規雇用者が増えているのが現状で、正社員であっても解雇や倒産のリスクが常に付き纏い、出産や病気、介護などライフスタイルの変化でローンの返済が苦しくなることもあります。
お金の問題で自ら命を絶つ人や心中を図る家族がいますが、決して他人事ではないのです。
その時のライフスタイルや収入に合わせて柔軟に住まいを替えられるというのは、精神的な安心にも繋がります。

ホテル暮らしのメリット

・衣食住のサービスが整っている
・光熱費や更新料などがかからない
・キッチン付きの部屋なら自炊も可能

賃貸暮らしよりお金がかかるので、一般の人は手が届かない暮らしですが、優雅なライフスタイルに憧れを抱いているオヤジもいることでしょう。
ロングステイするなら、施設、サービス内容、接客にこだわってホテルを選ぶことが大切です。

車上生活のメリット

・ホテルのチェックイン・アウトや食事の時間に縛られない
・宿泊費用がかからない
・最低限の家賃で済む
・自由に移動できる

『車上生活者』というとネガティブなイメージを持たれがちですが、自由を手にするために車上生活を楽しんでいる人達もいます。
長時間足を動かさないでいるとエコノミークラス症候群のリスクが高くなるので、何十時間も普通の車の中で過ごすのは厳しいものの、最近は中古で安くキャンピングカーを購入でき、快適に暮らすこともできます。

立派なマイホームに暮らすのがステータスと捉えている人にとっては、考えられない暮らしかもしれませが、家を持たない暮らしならではの豊かさがあるのも事実です。
持ち家を否定するわけではありませんが、家を持たないという選択に沢山のメリットがあることを知っておいて損はないでしょう。