頭の中で音楽がリピートする現象、さあ、どうやって対処する?
- 2018/10/31
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よくある現象にも、実は名前が付いている
パンが入っている袋の口をとめるプラスチック製の「アレ」だとか、金魚すくいで使う薄い紙が張られた「アレ」だとか、視力検査のときに片目を覆う「アレ」だとか。
しばしば眼にしているけれど、名前までは知られていないものって世の中にたくさん存在していますね。そんな「アレ」と呼ばれがちなものにも、当たり前なのですが名前が付けられているもの。ちなみに冒頭で例にあげた3つのアレとは、順に「バッグ・クロージャ」「ポイ」「遮眼子」と呼びます。そんな単語を覚えておいても、何の役にも立ちませんが。
これと同様に、やっぱり名前が付けられているのが、人間に起こる様々な現象。
「冷たいものを食べたときに、コメカミあたりがキーンと痛くなる現象」とか「禁止されると、むしろ挑戦してみたくなる現象」とか「本屋にいくと、トイレにいきたくなる現象」とか。これらにも名前が付けられており、それぞれ「アイスクリーム頭痛」「カリギュラ効果」「青木まりこ現象」と呼びます。
「青木まりこ?誰だそれ」と思いませんか?
新刊の書評など書籍に関する様々なことがらを取り上げる「本の雑誌」、1976年創刊の老舗の雑誌ですからご存知の方も多いでしょう。こちらに読者から「本屋にいくと、トイレにいきたくなる現象」についての投稿があったのが1985年のこと。その投稿自体の扱いは非常に小さなものだったといいますが、掲載された号が発刊されると読者から大反響が寄せられたといいます。
それを受けて編集部では特集を企画、きっかけとなった投稿者の名前から「青木まりこ現象」と名付けられたとか。そんな青木さん、いい迷惑だと思うのですが一説によるとまんざらでもないご様子だとのことです。
なつかしのローカルCMが頭の中に鳴り響く
冷たいものを口にしない、禁止されたなら我慢する、書店に立ち入らない。
上で取り上げた3つの現象については何とでも対策が取れますから、それほど深刻なものではありません。一方で非常に深刻な現象もありまして、その代表ともいえるのが「イヤー・ワーム現象」。頭の中で特定の音楽が、ぐるぐる回る現象のことですね。
私、アントニオ犬助のイヤー・ワーム現象は、昭和のころに流れていた関西ローカルのCM。「びわ湖温泉 ホテル紅葉」「有馬温泉 兵衛 向楊閣」「関西電気保安協会」「パルナス」などなど、一旦、頭の中に流れ出すと本当に困ってしまいます。
「ゆれる湖は、わたしの胸のよう……」と、寝る前に始まってしまうと、さあ大変。ドラマチックな転調を経てサビの部分へと突入。「びわこおぉんんせーぇん、ほてるこぉおぉうよぉぉ~♪」……これではいつまでたっても安息を得ることなどできないのです。
イヤー・ワームを退治するにはガムが効果的
そんなイヤー・ワーム現象に悩まされている人は多いようで、様々な対策が考えられてきました。「他の曲を聞く」「小説を読むなど、別のことに熱中する」、Webにはこんな方法が紹介されているのです。
しかし、他の曲を聴いてしまうと、今度は耳にした曲がイヤー・ワーム化しそうで不安になりますし、別のことに熱中するにしても、イヤー・ワームのお陰でそれができないから困っている。犬助の場合、これらの方法は無意味ということになりました。
これは困ったと思って色々調べて見つけたのが、2015年4月に英・レディング大学のフィル・ビーマン博士が発表した「ガムをかむ」という方法。ガムをかむという行為には、頭の中でなっている音楽を分解するという効果がある。これにより約30%の人が、イヤーワームを退治するのに成功したというのです。
ということで、犬助も寝る前にガムを噛んでみたのですが……今度は口の中のガムが気になって眠りに付くことができないではないですか。犬助の場合はイヤー・ワームと睡魔との戦いに任せたほうがよさそうな様子。意識を失ってしまえば、こっちのものですよね。