陸・海・空軍って大きく分けて何が違ったのか?
- 2017/09/08
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昔はみんな陸軍だった
地球上に存在する国家には、多くの場合国防を担当する軍隊があります。極端に人口の少ない国などで軍隊を組織する状況にない場合は、友好国に国防を任せるなどして軍隊を持たないこともあります。また、軍隊を持っている国であっても、保有する軍種には違いがあるのが一般的です。
現在の一般的な軍種として、陸軍・海軍・空軍があります。第二次世界大戦期に、陸軍・海軍に加え空軍の概念が発達しました。内陸国で国境を接する海や川がない国の場合は、そもそも海軍が存在する理由がないため陸軍・空軍が基本となります。さらに、空軍はコストなどの面で簡単に整備できる軍種ではないため、陸軍しか持たない国もでてきます。
そもそも、昔は陸海空軍などという区別は存在せず、あえていうなら陸軍しかなかったのです。その陸軍の中で、海や河川で船を使った戦闘を担当する部隊が、やがて水軍と呼ばれるようになり海軍へと変貌していきました。そして、航空機が軍用として使用されるようになると、陸軍と海軍がともに航空部隊の整備に着手します。
日本の場合は、陸軍航空隊として加藤隼戦闘隊の活躍が知られており、海軍航空隊では真珠湾攻撃を実施した空母機動部隊の活躍が知られています。
陸海空軍の一般的な違いとは?
このような歴史的変遷を経て、現在の陸海空軍に至っているわけです。また、アメリカなどは4つ目の軍種として海兵隊が存在しており、他の国では戦略ロケット軍などミサイル専門の軍種も存在しています。
さて、陸軍の主要任務は文字通り国土の防衛です。地上戦闘を担当する軍種であり、それに付随して対空戦闘や対艦戦闘も行います。航空部隊を持つ場合、空軍相当の攻撃力を持つ国もあれば、そうでない国もあります。また、自国内の暴徒鎮圧など治安維持活動を担うケースもあります。
海軍の主要任務は領海防衛です。領海侵犯してくる他国軍に対応するわけですが、沿岸警備隊が対応できない警察行動を担うケースもあります。日本的に言えば、治安出動任務です。また、海軍の活動内容は国によって大きく異なります。アメリカ海軍のように7つの海で行動し、原子力空母から戦闘爆撃機を飛ばして敵国を空爆する海軍もあれば、大きくても駆逐艦程度しか持たず、領海周辺を警戒行動するだけの海軍もあります。どのタイプの海軍であっても、近年は潜水艦の活動が重要になっており、同時に対潜能力の向上が求められています。
空軍は、領空防衛を担う軍種です。領空侵犯してきた外国機へのスクランブル発進は基本中の基本です。そのため、主要装備としてはインターセプターと呼ばれる迎撃任務に適した戦闘機を持つことになります。また、海軍が攻撃機などを持っていない場合などでは、艦隊支援任務として戦闘攻撃機を出撃させる任務もあります。さらに、アメリカ空軍くらいになると他国へ爆撃機を飛ばすなどの作戦行動も任務になっています。また、防空の観点から地対空ミサイルや大規模レーダーの運用が空軍の管轄になっていることも珍しくありません。
つまり、陸軍は地上戦を、海軍は海戦を、空軍は空戦を担当する軍種であり、昔と違い現在ではその分担がより明確になっているといえます。