「専守防衛ではなにもできない」は本当なのか?
- 2017/08/31
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中国に一方的にやられる日本というシナリオ
このところ、尖閣をめぐる話題がかなり少なくなっています。中国が紳士的に変身して出てこなくなったのかといえば、そんな夢のような話ではありません。北朝鮮のミサイルパフォーマンスが忙しくて、そちらに目を奪われているだけです。
さて、日本の実力はどうなのか?中国などの周辺国との衝突があった場合に勝てるのか?といった話は昔からあります。そして、専守防衛を掲げていわゆる敵地侵攻能力を持たない日本の場合は、負けないことが勝利条件となっています。つまり、攻めてきた敵を撃退できればOKということです。
しかし、国内外から中国相手では三日も持たないという話しがチラホラと聞こえてきます。その理由が「専守防衛」だというのです。負けないことが勝利条件だというが、負けないためには勝つことが必要であり、勝つから負けないのであって、勝てないなら負けしかないということです。
具体的にみてみましょう。
不幸にして中国が攻めてくる場合、艦隊が押し寄せてくるだけであれば、海上自衛隊と航空自衛隊が対艦ミサイルをもって迎撃すれば良い話になります。仮に、中国海軍の空母から艦載機が飛んでくるなら、これまた対空ミサイルで迎撃です。
しかし、日本がアッサリ負けると指摘する意見では、現実の戦闘になれば早い段階でミサイル攻撃をやってくるのが中国だといわれています。
ミサイル防衛は数に弱い
ミサイルを飽和状に撃ち込まれては、専守防衛の日本には何もできないということです。つまり、中国が撃ってくるミサイルが艦艇から発射されるものだけではなく、陸上基地からの弾道ミサイルも含まれているため、迎撃するにも限界があるという理屈です。
まず、艦艇や艦載機が発射する対艦ミサイルが護衛艦へ向かってきたとき、これを迎撃するには多数の迎撃兵器が必要です。なにしろ、飛んでくる数が半端ではない可能性があります。ただ、この点に関しては、艦艇そのものを撃沈したり、艦載機を撃墜したりすることで防げる可能性があります。
また、潜水艦から発射されるミサイルへの対応としては、対潜部隊の活躍を期待できるかもしれません。
ところが、それに加えて中国本土から飛んでくる弾道ミサイルまで考えないといけません。しかも、こちらは個別撃破するしかないのです。なにしろ、専守防衛ではミサイル発射基地を叩くことができません。また、専守防衛の範囲に「敵基地への攻撃」を加えたとしても、長躯その任務を果たしに行くアイテムが存在しない事実があります。
結局は、次々に飛んでくるミサイルへの対応に追われ、次第に突破される数が増えて、一方的に負けてしまうという論理です。防衛費の多くが人件費の日本では、迎撃ミサイルの数にも限りがあります。従って、ミサイルの乱れ撃ちをやられたら防ぎ切れないというのは説得力のある話です。
え?日米安全保障条約があるじゃん!と思うオヤジもいるでしょう。ただ、それに頼り切っていると問題が生じる可能性があります。そもそも、飛んでくるミサイルくらい自国で対処できるのがあるべき姿です。そのために必要な手当てはぬかりなくする必要があります。もちろん、戦わないで済むことが前提であり、平和友好が一番であることは論を待ちません。