日本が本気でミサイルを開発したらどんな兵器になってしまうのか?
- 2017/08/31
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日本にはミサイル技術は山ほどある
2017年8月、北朝鮮のミサイルにウクライナ製のエンジンが搭載されているとの報道が流れました。これについては、ウクライナ製ではあっても、どこからどう流れたのかはハッキリしていません。また、完成品を流用したという意見もあれば、流出したエンジンをベースにして、北朝鮮で独自に作れるようになっているとの意見もあります。
さらに、日本製のレーダー部品やパソコン部品まで当たり前に利用されているとの指摘があり、民生品の軍事転用を防ぐことの難しさも浮き彫りとなっています。
さて、周辺各国がミサイル開発に余念のない中、日本はミサイルを作れないのでしょうか?
ミサイルといっても、大陸間弾道弾から潜水艦発射弾道弾などの核を搭載できる攻撃兵器だけでなく、一般的な対艦ミサイル・対空ミサイルなど様々なものがあります。このうち、専守防衛に必要なミサイルは問題ありません。問題になるのは、外国の領土へ飛んでいくミサイルです。
侵略兵器となる大陸間弾道弾などを日本は持っていませんし、作ることも許されていません。しかし、作ってはいけないことと作る能力は別の話です。種子島から打ち上げるロケットや、メイドインジャパンの民生品が海外で弾道ミサイルに使用されている事実を見ても、作ることは可能だとわかります。日本が本気になってミサイル開発をすれば、いったいどのような兵器ができあがるのか?焦点はそこです。
諸外国が警戒するレベルの技術力
中国では、日本の弾道ミサイル開発能力への警戒が強いようです。その気になれば、すぐにでも弾道ミサイルを作れるというものです。一般に、外国の軍事的脅威というものは誇張されやすい傾向があるとされています。それを考慮しても、中国での警戒感は妥当なところでしょう。
北朝鮮のミサイル実験の際に何度も聞いた「液体燃料」と「固体燃料」を覚えているオヤジも少なくないでしょう。優秀な弾道ミサイルに固体燃料は不可欠であると。そして、日本には固体燃料ロケット(イプシロン)を飛ばしている実績があります。また、ロケット(人工衛星)と弾道ミサイルの違いは、搭載する「ブツ」の違いに過ぎないという話も耳にタコができるくらい聞いたでしょう。とはいえ、ただのロケットと弾道ミサイルでは求められる性能条件が異なります。兵器としての使い勝手などポイントはいくつかあります。
しかし、ロケットからミサイルへ発展するのに必要な条件をクリアすることは、日本の技術力をもってすればそれほど難しい話でもありません。軌道再突入についても、10年以上も前に軌道突入実験機「りゅうせい」でデータを集めています。
このように、日本が本気を出せば、強力な核弾頭を搭載した長距離弾道ミサイルを作ることも可能です。もっとも、技術的には可能であるという話であって、実際に作れる話にはなりません。まず、核弾頭を作るには政治的にもハードルが高すぎます。弾道ミサイル自体も簡単には作るわけにいきません。あくまでも、本気を出せばアメリカやロシアに次ぐミサイル大国になることは可能だということです。