「警察軍」は警察なのか軍なのか
- 2017/08/11
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警察と軍の決定的な違い
世界中のほとんどの国には警察と軍があります。日本にも警察と自衛隊がありますね。オヤジにはお馴染みの話ですが、自衛隊は海外から見れば軍隊です。国内でも事実上の軍隊だと認識する人が増えていると考えられます。
さて、警察も軍も武装した実力組織である点は同じです。昔の警察ならせいぜいが拳銃くらいしか持っていませんでしたが、最近では特殊部隊などが自動小銃や機関銃も装備しています。しかし、使用する武器がどのように変わっても警察は警察です。警察と軍の決定的な違いとは何でしょうか?
「警察は治安を守る組織であり、軍は国を守る組織である。」というのは、間違いではありませんが、両者の違いとしては弱いです。軍も一部治安維持にあたります。一番の大きな違いは、文官か武官かの違いでしょう。
シビリアンコントロールという言葉があります。文民統制と呼びますが、日本においては、武官組織である自衛隊を文官である内閣総理大臣が最高指揮官として指揮するというものです。その手段として、背広組の防衛官僚がいて防衛大臣がいます。要するに、軍人が勝手に動かないように統制するシステムになっています。
そして、軍隊は武ですが、警察は文なのです。だからこそ、中国などが領海侵犯してきたときに警察組織である海上保安庁が出て行くわけです。これなら、あくまでも文による対応となり、戦争の話にはなりにくいです。しかし、武である海上自衛隊が出て行ったら、緊張度合いはマックスになりかねません。
柔らかい言い方をすれば、警察活動と軍事行動の違いになってしまいます。
警察軍とはなんぞや?
さて、日本にはありませんが、世界中の国を見れば「警察軍」というものが結構存在しています。警察と軍は文と武という決定的な違いがあるわけですが、警察軍はどっちなのか?という疑問が持ち上がります。
似たような単語に軍警察があります。日本人の感覚からは、軍の内部警察をイメージしやすいでしょうか。その場合は、あくまで武である軍の内部の話です。自衛隊にも警務隊という隊内警察があります。昔の陸軍憲兵隊とは異なり、自衛隊に関係のない事案には関与しません。しかし、この軍警察という言葉は、もう少し広い意味で使われることがあるようです。つまり、軍の外部事案にも活動範囲が及ぶ組織の存在があります。
そして、警察軍も軍隊以外でも一般的な警察活動を行う組織です。
・軍警察(狭義)…軍内部の警察活動を行う軍の組織
・軍警察(広義)…軍の内部事案に限らず警察活動を行う軍の組織
・警察軍…広義の軍警察とほぼ同じだが限りなく警察に近い組織もある
このような解釈が妥当でしょうか。但し、世界共通の明確な定義があるわけでもなく、そのため、国によっては軍と警察の中間的な存在だったりします。所属や指揮命令系統も結構複雑なものです。
結局のところ、警察軍は警察なのか軍なのかといえば、国ごとに、また活動ごとに評価する必要がありそうです。現在の日本人には、警察は警察・軍は軍の方がわかりやすいですね。