発売されたホンダ「インサイト」はプリウスに迫れるのか?

  • 2018/12/26
  • ライフスタイル・娯楽
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Honda

「プリウスキラー」に一旦はなり得た、先代インサイト

2009年の始めのころ、発売された先代のホンダ「インサイト」は正にプリウスキラーでした。何しろ当時は、2代目プリウスに対抗できる唯一のハイブリッド車種。ライバルがモデル末期だったとはいえ、インサイトは販売台数で上回るという快挙を成し遂げたのです。
しかしインサイトに遅れること半年、発売された3代目プリウスは、ご存知の通り2代目を上回る大ヒット。インサイトはプリウスキラーの名も虚しく惨敗、そのまま存在感を薄くしていき2014年に姿を消したのでした。

敗因は見た目が少々小ぶりでスポーティすぎたことと、排気量が1,500ccまでしかなく、非力な印象を与えたこと。中型のセダンからハイブリッドへの乗り換え需要を取り込むことに失敗したことでしょう。

それから5年弱、今やEVやPHEVも珍しくなくなりましたし、ハイブリッド車も巷にあふれるようになりました。そんな中、登場した新型ホンダ「インサイト」は、現行の4代目プリウスに迫り、真のプリウスキラーとなることはできるのでしょうか?

 

北米の評判では、内外装ともにインサイトの圧勝

そこで、先行して新型インサイトが発売されている北米での声に目を通してみたところ、評判はおおむね悪くない様子ですから、国内発売をひかえて期待が高まるというもの。

中でも、普通のセダン然とした外観の評判は上々。というのも、現行のプリウスもそうであるように、エコカー全般にありがちな奇をてらったデザインは北米でも評判が悪いから。そのお陰でインサイトのデザインが引き立ち、外観においては圧勝です。

また、インテリアの評判も悪くないのがインサイト。ホンダ得意の近未来感があるデザインは賛否両論あるものの、メーター内にゴチャゴチャと情報が羅列されるプリウスのものよりも、すっきりとしていて見やすい印象。ブレーキアシストやクルーズコントロールが標準で付属してくるところも好評価となっています。
ただし、使い勝手においてはハッチバックのプリウスに軍配を上げる人も多いもの。セダンがトレンドではないのは北米でも同じのようですね。

 

ターゲットとしているのは、実はプリウスではない?

そして気になる燃費性能なのですが、新型インサイトはJC08モードで31.4~34.2km/Lと発表されています。対して、プリウスはJC08モードで40.8km/Lですから、こちらはプリウスの勝ちなのですが、ここで忘れてはならないのがインサイトの方がプリウスよりも大きいこと。
インサイトの全長は4,675mm、全幅は1,820mm。対してプリウスはそれぞれ、4,540mmと1,760mmと、それぞれ一回り大きくなっているのです。そして、価格も違うというのがインサイトとプリウス。インサイトの3,261,600円~に対して、プリウスは2,429,018円~となっています。

ボディサイズと価格でプリウスを上回るインサイト、これは最早、プリウスをライバルとすら思っていないということではないでしょうか。
では、どんな車種をターゲットにしているかというと、恐らくトヨタ「カムリ」。あちらの方がインサイトより、さらに一回り大きいのですが、価格帯は3,298,320円〜ですからモロかぶり。つまりホンダは、普通のセダンを出したかったのですね。

 

インサイトが狙うのは、実にニッチなターゲット

ということで、カッコいい外観を持つ新型インサイトが想定している客層は、自社ならばアコードでは少し大きいという人たちで、現行のトヨタ・カムリに飽き足らない人たち。つまり思い切りニッチな客層であることがわかります。

一方でプリウスが狙っている客層は、インサイトよりは幅広いもの。大ヒットした3代目プリウスからの乗り換え需要も見込めますし、マイナーチェンジでは不評だったフロントマスクのデザインを大幅に変更してきますから、まだポテンシャルを秘めていると思えます。

加えて、今はハイブリッドというだけで選択肢がなくなってしまった2009年でもありませんから、インサイトはプリウスに迫ることはできないと思うのです。
ホンダのエコカーの代名詞だった、インサイトがこれでは少し寂しい気もするのですが、よく考えてみれば今やエコカーはハイブリッドだけではありません。PHEVなら「クラリティ」がありますし、軽自動車の「N」シリーズも昔と比べれば充分エコ。ホンダはハイブリッドにこだわらず、これからもエコカーのラインナップを強化していくはず。ハイブリッドの向こう側にホンダの目指す未来がありそうなのです。

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アントニオ犬助
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みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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