「日本カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれる基準って?
- 2018/11/24
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昨年「COTY」に輝いたのは、何だったのか知っています?
昭和のころには年末の芸能界の話題といえば、賞レースだったものです。しかし「今年は誰が日本レコード大賞に輝くのか?」と盛り上がっていたのもすっかり過去の話。平成も終わろうとする現在、誰も興味など持たなくなってしまいました。
なぜなら、賞レースは出来レースであることをみんなが知っているから。AKB一派とEXILE一派、どちらかが受賞する仕組みになっていることは、今や誰でも知っている。
その証拠に2年前、レコード大賞をめぐって1億円が動いたという証拠が出てきた時も、大して騒ぎにはならなかったもの。「あーやっぱりね」という感想を抱いた人がほとんどだったからでしょう。
それとよく似たものとなってしまっている賞といえば「日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」、誰も興味を持っていないという点でレコード大賞と同等のもの。例えば前回のCOTYは何だったか、実はボルボ・XC60なのですが、これに答えられる人はほとんどいないはずなのです。
選考基準があいまいすぎるという問題点
COTYに誰も興味を抱かなくなった理由として、あげられるのが選考基準のあいまいさ。
現在60名いる選考委員の投票で決定するといいますが、その選考委員のほとんどが自動車評論家。その時点でメーカーとべったりの人々ですから、公正さとはほど遠い印象を受けてしまうのです。
選考は1年間に発表・発売された乗用車の中から「ノミネート」車を選出、その中から上位10車種を「10ベスト」として選出、さらにその中からCOTYを選出という段階を踏んで行われるのですが、ノミネートの基準は明らかにされていないというのも怪しさを感じてしまいます。
COTYの評価を著しく下げた? トヨタ「iQ」
怪しい怪しい、そんな風にいわれていたCOTYへの不審が一気に噴出したのは、思い起こせば2008年、トヨタ「iQ」が受賞したとき。なぜなら、この時点でiQはまだ発売されていなかったから。確かに選考基準には、1年間に「発表」・発売されたとあるものの、未発売車種が受賞したのは前代未聞。売れているかどうかは選考基準に入っていないものの、全く無視はできないはず、にもかかわらず!!なのです。
確かに2+1の乗員とか、シティコミュータとかiQのコンセプト自体、日本では目新しかったものでした。しかし、実際に発売になったら案の定の大爆死、全然売れなかったのはご存知のとおり。COTYに選ばれるほどの優秀な車ならば、次のモデルが発売になってもよさそうなものですが、iQは一代限りで生産終了してしまった。ね、COTYってやっぱり怪しいでしょ?
そして、COTYだけで3つもあるという現状
そんなCOTYの怪しい点を改善すべく、立ち上げられたのが「RJCカー・オブ・ザ・イヤー」。歴代の受賞車を見る限りではCOTYのiQほどは違和感がある選出はないものの、こちらも選考基準はよくわかないもの。HPに明記もされていませんから、選考委員が変わっただけで、やっていることは同じじゃないの? という気持ちになってしまいます。
だから、というわけでもないと思いますが、もうひとつあるCOTYが「自動車殿堂カー・オブ・ザ・イヤー」なのですが、こちらは、それぞれの受賞車の選定理由が明らかになっているだけ他のCOTYよりはマシ、なのか?
昨年の受賞車はホンダ「N-BOX」。走行性、快適性、経済性のバランスのよさや、安全性能、スライドドアの利便性が評価されての受賞となりました。
でもCOTYだけで日本に3つもあることで、招いているのは余計な混乱。
こうなってしまうと権威も何もない気がしますから、いっそ廃止すればいいと思うのですが、よく考えてみればその必要もありません。
なぜならCOTYの存在感自体が、レコード大賞同様なくなってしまっているから。
あるのかないのかわからない賞ならば、狭い自動車業界という枠組みの中だけで楽しんでいればいいのです。
ちなみに、今回のCOTYの「10ベスト」はスバル・フォレスター、トヨタ・クラウン、カローラ・スポーツ、ホンダ・クラリティ・PHEV、マツダ・CX-8、ミツビシ・エクリプス・クロス、アルファロメオ・ステルヴィオ、BMW・X2、ボルボ・XC40、VW・ポロとなっています。
犬助は本命でクラウン、穴馬でカローラの受賞を予想しますが、いかがでしょうか?今回のCOTY、発表は12月7日だそうです。