水没してしまった自動車、その後はどうなってしまうの?
- 2018/07/22
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自然の猛威の前になす術なく流されるクルマ
7月は西日本で壊滅的な豪雨水害の月になってしまいました。テレビニュースでは、非難する車列が濁流に流され、飲み込まれる様子が流され、被害の大きさが浮き彫りになっています。
また、水が引いた後に、泥まみれになったクルマが散乱、点在する姿も伝えられており、事態の深刻さがわかる映像です。
人的被害や経済的被害は甚大なものですが、それと同時に気になるのが、水没してしまった自家用車のその後です。救助活動や復旧作業に直接関係ないクルマは、しばらくそのままで放置されるとしても、いつまでもそのままというわけにはいきません。また、すぐになんとかしたいと考えるオーナーも少なくないようです。
まず、クルマに関係するトラブルとしては、JAFなどの出動を要請するケースがあります。報道によれば、JAFには通常をはるかに上回る出動要請が来ているとのことです。当然、管轄地域の人員だけでは対応できないため、各地から応援を呼んで対応にあたっています。
救助活動などのニュースで、警視庁や大阪などの隊員の姿が映し出されていますが、クルマのレスキューの分野でも同じような状況になっているということです。
注意しなければならないのは、水没したクルマの引き上げや撤去には、十分な知識と装備が必要だという点です。
クルマを電化製品だと考えることはないとしても、電装部品を多く使用している機械であり、バッテリーも搭載しています。とくに、ハイブリッドカーやEV電気自動車はある意味電化製品と同じで、他のクルマにも増して感電の危険性を考える必要があります。
それでなくても水没によって故障している可能性が高く、何が起きるかわかりません。
また、汚水や汚泥の中での作業は、怪我をする恐れがあり、破傷風などの感染症のリスクが高まっていることも忘れてはなりません。
以上のことから、水没したクルマには近づかない、触らないことが安全策です。
廃車の運命を逃れられるか
さて、それでは悲惨な状況に陥ってしまった水没車には、その後、どのような運命が待っているのでしょうか。
もっとも多いのが廃車です。考えてみれば、水没した時点で、濡れただけでなく、車体の隅々にまで汚れが入り込んでいることは間違いないでしょう。繊細な機械であるとともに、人命を運ぶマシンであるクルマとしては致命的な状態です。
安心安全な状態に戻すには、完全分解して清掃・除菌し、破損部品を交換し、内装のシートなどを清潔なものと取り替える必要がでてきます。そのためには、莫大な費用を負担することになります。
結果的に、新しいクルマを買った方が時間的にも経済的にも合理的ということになります。
中古車市場に流そうとしても、このような事情のクルマに値段がつくことは望み薄です。もちろん、すべての水没車がこうなるとは限りませんが、可能性が高いため、廃車を前提として考えておく方が無難といえます。楽観的な観測をしていて廃車となったらダメージ倍増となりそうです。
せいぜい、簡単に取り外せる損傷の少ないパーツや機器を再利用するのが関の山といったところでしょう。
もうひとつ重要なことは、乗っているときに水害に遭ったときの対応です。水位が上がる前に、その場から脱出して水没を避けるべきです。もし、水没が避けられない事態に陥ったなら、エンジンを切って速やかに退避してください。邪魔にならない場所に移動できればよいですが、そんなに都合よくはいかないでしょうから、逃げ遅れないようにします。
水没車が危険であることは、クルマの外にいても中にいても同じであり、とにかく離れることがたいせつです。クルマの中だと最悪溺死のリスクまで加わります。まずは、命を守ることを第一に行動してください。後のことは折を見て考えましょう。