結局、水素自動車は普及するの?電気自動車を超える日はやって来るのか?
- 2018/05/05
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そもそも水素自動車ってどんなクルマ?
フランス、イギリス政府が「2014年までに国内のガソリン自動車とディーゼル自動車の販売を禁止する」と発表したように、自動車業界は世界規模でクリーン・エネルギー化が進んでいます。
まだまだガソリン自動車が主流とはいえ、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車(PHV)も身近な存在になりつつあるなか、存在感を増しているのが水素自動車です。
水素自動車には「エンジンで水素を直接燃焼させて動力を得る自動車」と「水素を燃料に発電した電力で走る自動車」の2つがあります。
現在、水素自動車としてメジャーなのは後者の「燃料電池自動車(FCV)」です。
FCVには、トヨタ・ミライ、ホンダ・クラリティ フューエル セルなどがあり、“究極のエコカー”として注目を集めています。
燃料電池自動車がなぜ、究極のエコカーと称されるのか。
一般のガソリン自動車は、温室効果ガスの二酸化炭素や有害な窒素酸化物などが排出されます。
一方、燃料電池自動車が排出するのは水だけです。
ただし、水素をエンジンで直接燃焼させる自動車の場合は、少量ではありますが、窒素酸化物が排出されます。
燃料電池自動車v.s電気自動車
燃料電池自動車は、同じエコカーである電気自動車と比較されることが多いです。
まず、燃料の補給にかかる時間を比べてみると、電気自動車は満タンに充電するまでに数時間~10時間、急速充電器でも30分程度かかるのに対し、燃料電池自動車は水素の入ったタンクを交換するだけなので、ガソリン車と同じくらいの時間で燃料の補充が完了します。
次に、航続距離。
「航続距離は、電気自動車より燃料電池自動車のほうが長い」とされてきました。
車種にもよりますが、かつての電気自動車は充電が満タンの状態で航続距離は100~200km、気温やエアコンなどの影響で航続距離が大幅に下がります。
一方、燃料電池自動車の航続距離は、トヨタ・ミライで650kmです。
ですが、電気自動車も年々進化を遂げています。
新型日産・リーフは、航続距離がフル充電で400km。
バッテリーサイズはそのままに、容量が40kWhにアップしました。
しかも、価格はトヨタ・ミライが7,236,000円~なのに対し、日産・リーフは3,150,360円~とお手頃。
さらに、月額2,000円(税別)で日本全国5,520基以上が使い放題です。
充電器の総数は、2017年1月の時点で急速充電器が7,204基、2016年9月の時点で普通充電器のコンセントタイプが約56万台、充電ケーブル搭載タイプが約2万5千台普及しています。
一方、水素ステーションの数は、2017年8月の時点で92基です。
「水素ステーションが増えたら、燃料電池自動車に乗る人が増えるのでは?」と思った人もいるでしょう。
実際に、政府は東京オリンピックが開催される2020年までに水素ステーションを160箇所程度、2025年までに320箇所程度にするとの目標を掲げていますが、いくつかの課題があります。
まずは、水素ステーションの建設費。
中規模なものでも、なんと5億円前後の建設コストが発生します。
それに加えて、燃料電池自動車の登録台数は2015年度で632台、2016年度は632台と、需要が伸び悩んでいるのが現状です。
水素ステーション1基あたりの採算ラインは、燃料電池自動車1,000台という説があるので「水素ステーションは供給過多である」との見方もできます。
燃料電池自動車の将来性は?
あなたは、燃料電池自動車か電気自動車の二択なら、どちらを選択しますか。
現状では、電気自動車のほうが「乗りやすそう」と感じる人が多いのではないでしょうか。
ですが近い将来、燃料電池自動車ブームが巻き起こる可能性があります。
トヨタは燃料電池自動車の新型モデルを2020年頃をめどに販売する方針で、トヨタ幹部は「燃料電池システムのコストを半減させる」さらには「2025年にはさらに半分の4分の1までコストを削減する」と述べています。
ちょうど、東京オリンピックが控えていますし、燃料電池自動車が再び脚光を浴びる絶好のチャンスです。
「これからの時代は燃料電池自動車だ!」と言わんばかりの快進撃に期待したいと思います。