運転免許センターの立地の悪さには、こんな理由がありました。
- 2017/12/27
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教習所よりも広い土地
運転免許センターとも呼ばれている運転免許試験場は、例外はあるもののたいていは最寄り駅からバスなどを使って行く必要のある、結構離れた立地にあります。免許の更新に行くたびに、もっと駅に近ければよいのにと思うことがあるものです。
しかし、運転免許センターは、なぜこうも立地が悪いのでしょうか。
この問いには、多くのオヤジがまとまった土地が必要だからだと答えるでしょう。実際、運転免許センターでは筆記試験に加えて実技試験が行われています。更新するだけの来場者には関係ないでしょうし、公認の自動車運転免許教習所で仮免許をとった受験者にも必要ないですが、飛び込み受験者などには実技コースがないと困ります。
ただ、試験の実技コースといっても、運転免許教習所なら駅に近い場所に多数あるじゃないかと思うところです。教習所にできることが、運転免許センターにはできないのか?
ここで、グーグルさんの地図を見てみましょう。その辺に表示される運転免許教習所の敷地と、運転免許センターの敷地を見比べてみれば、この2つを同列に語ることができないとわかります。なにしろ、一般的には運転免許センターの敷地のほうが、圧倒的に広いです。
ちょうど比較に適しているのが、兵庫県の明石にある兵庫県警察の運転免許センターと、その隣にある兵庫県自動車学校明石校でしょうか。ぱっと見ただけなら、自動車学校も運転免許センターの一部に思えてしまいそうです。
ただ、広大な土地が必要だからといって、なぜ駅から離れた場所になるのか?駅前で地上げでもすればよいじゃないかと考えることもできます。しかし、運転免許センターは紛れも無く税金で設置する施設です。民間の施設であれば、金をつぎ込んで地上げをすることもありでしょう。しかし、公費でそんなことはできません。
地方なら少し離れると安くなる
土地の価格は駅から離れれば離れるほど安くなる傾向があります。もちろん、駅だけが要因ではないため、必ずそうなるわけではありませんが、一般的には間違いではないでしょう。そして、田舎の場合は極端に遠くなくても一気に価格が下がることもあります。要するに、駅から離れれば少ない予算で土地を確保できるわけです。
また、仮に駅前に運転免許センターを持っていたとしても、駅前の有効活用などの理由がついて、郊外への移転という話にもなりやすいものです。実際のところ、駅前や駅周辺にあったほうがよい施設としての優先度なら、運転免許センター以外の物件が上位に並ぶといえます。さらに、駅前の高い土地を売り払って郊外へ移転すれば、財政的にも意味があると考えられます。これは、運転免許センター云々の話だけではなく、公的機関一般にもいえることです。
その際に、利用者の利便性は検討されないのかという点ですが、そもそも、運転免許センターは、原付免許、普通自動車免許、自動二輪免許といった各種運転免許の試験を受けるための来場がメインであり、その機会は一般人なら一生に何度もあるものではありません。
また、免許の更新に利用する人にしても、ゴールド免許なら5年に1回です。ブルーの3年に1回でも多いとはいえないでしょう。さらに、立地の問題で免許センターでの更新をしたくない人には、条件によっては警察署で更新を行う選択もあります。なにも、無理をして運転免許センターに行く必要はありません。
このような理由から、利用者の利便性が悪化したとしても、それほど困ったことにはならないわけです。
ひとことで片付けるなら、広大な土地を確保するには立地条件が悪くても地下の安いところを選ぶ必要があるからとなります。その中身を深掘りすることで、さまざまな事情が浮かんでくるのも楽しいものです。