40歳になったら気をつけたい緑内障の話
- 2017/02/12
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視野が欠けて失明する病気
日本人の失明原因の1位は「緑内障」です。視野が欠ける病気で、かつては「青底翳(あおそこひ)」と呼ばれていました。一度欠けてしまった視野は、治療しても元には戻りません。40歳以上では20人に1人(5%)が発症すると言われており、それ以前から症状が出る場合もあります。
緑内障のメカニズム
私たちの目玉(眼球)は、「房水」という液体によって、内側から圧力がかかった状態になっています。房水には目に必要な栄養素を運び、目玉の形を保つ役割があります。常に新しく産生され、最後は「隅角」という部位から排出され、正常な眼圧を保っているのです。
けれども何らかの理由で、房水の作られる量が多すぎたり、隅角からの排出が不十分だったりすると眼圧が上昇します。目玉の圧力によって「視神経」が圧迫され、そのまま潰されてしまうのです。視神経は目に映った光景を脳に伝えますが、その部分の情報が伝わらず、欠けてしまいます。
残念ながら緑内障になる要因は特定されておらず、体質が大きく影響していると考えられています。さらに、眼圧が正常なのに視神経が傷んで、緑内障になる場合もあります。決定的な予防法はありません。だからこそ、早めに気づいて進行を止めるのが重要です。
緑内障の検査方法
困ったことに、緑内障の自覚症状はかなり進行してから現れます。なぜなら、片方の目で欠けている情報を、もう片方の目や脳が補ってしまうからです。初めてメガネやコンタクトレンズを作る時に眼科へ行き、そこで指摘されて気づくケースも多いのです。
片目でチラついた画面や新聞を見るセルフチェックもありますが、40歳を過ぎたら緑内障の自覚症状が無くても、自発的に眼科で検査を受けた方が良いでしょう。主に以下の検査を行います。数時間で完了し、料金は健康保険が適用されて5,000円程度です。眼底検査は強い光を当てるので、検査後に車の運転を控えるよう指示される場合もあります。
・眼圧検査……空気を吹きつけたり、専用の器具を当てたりして眼圧を測定します
・眼底検査……目に光を通して、視神経の状態を確認します
・視野検査……数分にわたってランダムに光の点を表示し、その時の反応から視野の欠け具合を判定します
治療は目薬の点眼で
緑内障の治療は、ほとんどが目薬を処方して経過観察を行います。目薬には様々なアプローチで房水の流出を促したり、産生を抑えたりして、眼圧を下げる効果があります。これを毎日欠かさず、決められた量を点眼するのです。目薬が切れるタイミングで再診します。目薬で眼圧が下がらず、緑内障が進行する場合は、レーザー療法や手術で房水の流れを良くします。
ただし、目薬や手術で眼圧が下がっても、そこで治療をやめてしまったら緑内障は再び進行します。一生付き合っていかなければいけない病気なのです。検査を受けた結果、現在は発症していなくても、一生発症しないとは限りません。年に1回は検査を受けた方が安心です。愛する人の顔をずっと見るためにも、40歳になったら緑内障に気をつけましょう。