積もり積もるストレスは、座禅で軽減
- 2016/11/13
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座禅は儀式ではなく、一人一人の営み
座禅がどういうのものかは、日本人ならたいてい知っているでしょう。禅寺のお堂の床に結跏趺坐と呼ばれる足の組み方をして坐り、じっと瞑想する。そばには雲水がいて、座禅を組む者が眠気をもよおして前かがみになったりすれば警策を肩に振り下ろす。ざっとそんなイメージでしょうか。
ところが、座禅は本来そういうものではないのです。禅寺や雲水といった装置は必要ありません。警策もいわずもがな。座禅はもともと一人でするものです。それに、「瞑想」ではありません。座禅は目を半分だけ閉じる「半眼」の状態で行うもので、意識と無意識との境界に行き着くことにその本質があるからです。
座禅はストレス対策として有効
そんな座禅がストレス対策として有効であることを知っている人は、どれだけいるでしょうか。ここで言う座禅は、禅寺で行われる儀式的な座禅ではありません。座禅を普及するために広く行われている座禅会でもありません。いや、それらを含めてですが、本来一人で行うものである座禅が有効だと言いたいのです。
それは、ストレスというものの本質と関係があります。
座禅は、ストレスをコントロールする脳内物質を活性化する
ストレスには、①身体的ストレス、②精神的ストレスの2つがありますが、たいていの人が理解するストレスは後者でしょう。これは、以前は「心が感じるもの」とされていて、その原因は曖昧でしたが、いまは「心」という抽象的なものではなく、「腦」に起こる現象だということが解明されています。
人に何か特別な刺激があると、それが心地良いものであれば、脳内にドーパミンと呼ばれる物質が分泌されます。逆に、不快な刺激であれば、ノンアドレナリンという物質が分泌されます。脳にはこの2つのバランスをコントロールする物質があり、それがセロトニンです。過剰なストレスによる不快感から逃れるには、このセロトニンを活性化させる必要があります。
そのことに効果的なのが「座禅」なのです。
基本的なやり方を習得し、毎日の生活の中で座禅を
座禅は、目を完全に閉じることなく、半分だけ閉じる「半眼」で行います。完全に目を閉じてしまうと眠気におそわれますが、半眼では意識が研ぎ澄まされます。この状態を続けると、脳内には心がリラックスした印であるα波が生じます。これが、ストレスを軽減し、気持ちを軽くのびやかにしてくれるのです。
座禅には寺も道場も必要ありません。好きなときに好きな場所で組めばいいのです。正しい座禅には結跏趺坐という足の組み方と腹筋呼吸、さらには数息観(すそくかん)という呼吸の数え方を習得する必要がありますが、禅寺の坊さんが言うほど難しいものではありません。
カルチャーセンターや民間の座禅運動団体などで教わり、毎日の生活の中に取り入れていくといいでしょう。